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第五十四話 再開と出会い
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た。



「つーわけで、改めてよろしくな、リーファ」

「ええ。こちらこそよろしく、ソレイユ君」

と、気軽に挨拶をしたのが数分前。あれから、警戒心をあらわにしていたリーファに事情を説明して誤解が解けた後、キリトに随意飛行を教え、今はシルフ領であるスイルベーンに向かって飛行中である。なぜシルフ領に向かっているかというと――

『ねぇ、君たちこの後どうするの?』

『や、特に用はないんだけど・・・』

『そう。じゃあ・・・お礼に一杯おごるわ、どう?』

という会話から――

『実はいろいろ教えてくれる人のこと探してたんだ』

『色々って?』

『この世界のこと、さ・・・とくに、あの樹のこととかね』

ということになったのである。シルフでない種族がシルフ領に行くのは危険だ、というリーファの助言があったのだが――

『でも、みんなが即襲ってくるわけじゃないんだろ?リーファさんもいるしさ。シルフの国って綺麗そうだから見てみたいなぁ』

『リーファでいいわよ』

という流れを得て現在スイルベーンに向かって飛行中なのである。ソレイユはもとから目的地がスイルベーンなため、異論をはさまなかった。だが、リーファという少女は見かけによらず結構なスピード狂だったらしい。途中までナビゲーション・ピクシーの姿で一緒に飛行していたユイがスピードに耐え切れずキリトの胸ポケットに隠れてしまうほどだった。
そんなこんなで気が付くと、森が前方で切れその奥に色とりどりの光が見えてきた。ひときわ明るい光を放つ中央の塔。スイルベーンのシンボルである≪風の塔≫も目視で確認できるくらい近づいていた。

「お、見えてきたな!」

「そう言えばキリト君」

「ん?どうした、ソレイユ?」

「ランディングのやり方はわかるのか?」

「・・・・・・」

ソレイユの言葉にキリトは顔を強張らせ、次いでリーファの方に視線をやると、頬を掻きながら困ったように笑うだけだった。正面を見れば視界の半ばは巨大な塔に占められていた。

「そんじゃ、頑張って」

そういって、ソレイユは翅を広げて減速しながら地上に降りていく。それを見送ったキリトはすがるような視線でリーファを見た。

「えーっと・・・ゴメン、もう遅いや。幸運を祈るよ」

と、何とも薄情な台詞を残しソレイユの後を追う形で下足しながら地上に降りていく。

「そ・・・そんなばかなあああああああああーーー」

という絶叫の後、びたーんという衝撃音が響いた。ソレイユとリーファは心の中で合掌。その後、シルフのプレイヤーの間ではスプリガンの新人(ニュービー)がスイルベーンのシンボルに破壊工作を行った疑いがあるとかないとか噂になることになった。

・・・・・・・・・
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