暁 〜小説投稿サイト〜
なりたくないけどチートな勇者
29*手袋は投げとらんぞ
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を捜してうろうろしてたんだ、もうはぐれないようにしろよ」

そう言いながら奴はそそくさと戻ろうと…

「ぐへっ!?」

「おう?」

………い、痛い。
こいつ、ヘッドフォンを持って行こうとしやがったな。
首にぶら下がってたMP3プレイヤーがめっちゃ引っ張られた。

「………返せ」

「………………チッ」

渋々返すエリザ。
マジでこいつ、姫としてどうなんだ?

「………なんだそれは?」

「え?戻るんでなかったん?」

何をぬけぬけと、こいつ。
そんな態度と舌打ちが腹立つから、ついつい冷たい態度をとってしまうでないか。

だがそこは優しい自分、首からプレイヤーを外してエリザにおいでおいでと手招きする。
そして近付いてきたエリザの首にそれをかける。

「ほり、これが本体。んで、こっちを耳にあてれば歌が聞こえるから」

そんな感じに大まかな説明をしてやると、奴はうきうきしながらそれを聞いている。

「ナルミナルミ、これが噂のぼーかろいどの召喚器か?」

「いや、それらの歌が入ってるだけ。奴らは出てこん」

つか、実際ボカロが三次元に来たらいろいろと怖い。

特に眼とか眼とか眼とか。
あの眼の大きさ絶対脳みそ圧迫してるって。

「んじゃそれ貸すからあっちゃいってなさい」

ヘッドフォン貸すだけで厄介者がいなくなるなら安いもんだ。

「おう!ナルミもいつまでシルバの温もりを感じてないで、少しは楽しめよ。じゃあ私はこれ以上お前達の邪魔をするのも忍びないからもう行くぞ」

そう言いながら奴はノリノリでヘッドフォンを取り付け、どっかに去っていった。

まぁ、あれだ。
大音量のGO TO THE HOSPITAL!!でエリザの耳がやられる事を切に願う。
………なんともちっちゃい仕返しだ。

しかし………温もり?

腕の中を見ると、自分がさっき支えた時のままの体制で、真っ赤になりながらもしっかり自分に縋り付くかわゆい娘っこが一人。

……………すっかり忘れてた。

「………一人で立てる?」

「む、無理です立てません。まだこうしてたいです」

……この娘、こないだからだいぶ積極的で大胆に成長したな。
なぜだ?

てゆーかそれより、立ってくんなきゃ困るんだが。
めちゃめちゃ恥ずかしい。

そして悪い事は何事も重なるもので

「あらあら、よかったわねシルバ。でもそれをやるのは今ここでではなく、後でナルミさんの部屋でやった方がいいわよ」

はい、リリスさんご登場である。
水色に紫の装飾付きの綺麗なドレスを着ながらやっぱりのほほんとした顔を崩さずに、自分ら二人の前にやってきた。

「私も早く孫の顔が見たいし、むしろ今から「Shut
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