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なりたくないけどチートな勇者
26*ある種の公開処刑
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求めたい。

『兵士達は勇敢にも戦ったが、魔獣の圧倒的な力の前に、なす術もなく倒れていった。』

青年達が舞台から逃げ、代わりに兵士役の人達が数人ぬいぐるみに立ち向かった。

……が、ぬいぐるみが動くだけでなぜかみんな倒れていった。

『だが、彼らがその魔獣の力に絶望しかけていた所へ、彼は現れた。』

なんかのそのそぬいぐるみが動き、兵士にとどめをさそう(のしかかろう)とした所で、なんか黒マントに身を包んだのがぬいぐるみと兵士の間に立ち塞がって、高らかと言った。

「待つがいいそこの魔獣よ!民を虐げる悪しき存在よ!」

そう言って奴はマントを投げ捨てる。

「自分!ハセガワナルミがいる限り、そのような事は決してさせない!」

下にいたのは、魔法使いみたいな黒い変な服に身を包んだ、謎のイケメン(黒かつら付き、なぜか眼も黒い)だった。

彼が大見えを切ると同時に、会場から黄色い歓声が上がる。

「おい!誰だか知らないがあれは魔獣だ!」

「そうだ!魔獣に単体でやり合うなんて、命を捨てるような物だぞ!」

そう言うは倒れてる兵士達。
そして次に続く台詞は

「ふんっ!たかだか魔族が私に立ち向かうなぞ!命知らずめが!」

魔獣ぅぅ!!!
貴様が喋るか!
びっくりだよ!

「ふっ…自分は魔族では無い、自分は…」

そう言いながら、ハセガワナルミ(以下黒いの)はポケットから紫の手帳みたいなのを取り出し、それを上に掲げ

「誇り高き正義の使者!人間だ!」

言うと同時に振り下ろす。
すると、ランプの光みたいなのがぬいぐるみに集中し、ぬいぐるみがよがり出す。

「ぐ……がぁぁぁぁ!」

そして萎れる。

なんだこれは。

「大丈夫か、そこの者」

そんな不思議なぬいぐるみには一切関心を示さず、黒いのは後ろの兵士に声をかける。

「あ、ありがとうございます……あなたは一体」

「自分は人間の、ハセガワナルミだ。この国を救うため、来たる戦争に勝利をもたらすために自分は来た。さぁ、自分を謀将の姫騎士、エリザ様の元へ案内してはくれないか」

黒いのがそう言うと、兵士達は慌てる演技をした後に、黒いのを城に案内すると言う言い出した。
そして、その兵士と共に黒いのは一旦舞台から消えた。

………うん、何この茶番。
いろいろ思う所はある、が……一番言わねばならぬのはこれだろう。

なにが正義の使者だバカヤロー。


***********★


「そなたが私に会いたいと言う者か?」

「はっ。自分の名前はハセガワナルミ、この国を救うためエリザ様の元へやって参りました」

なぜエリザにひざまずくなぜ敬語をつかうなぜ自らエリザの元につこうとする!
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