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連邦の朝
第六話 準備期間
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早いだがな、グリーンお前の成長ならばすぐに終わるだろう。それからでも喜ぶのは遅くないだろう。」
相変わらずこう言った時は素直に褒めれないライ。


更に、時間は過ぎて行き、最初の訓練から三年半後の事だった。


「グリーン、これで四系統の魔法を終える。誇ってもよいぞ。お前の成長は、私の教え子の中で一番早いぞ。だが自惚れるなよ。自信と慢心、自惚れは違うのだからな。」
何時もの不器用な褒め方をするライ。


「はい!先生!」
ワイアットも最早、彼の不器用な褒め方にはなれていた。


「グリーンよ。私からの最後の課題はオーク鬼が一匹とコボルト数匹が出てきたらしい。の許可を取った討伐に行け!」
ライはそう言うと何処かに消えた。


「分かりました。先生!」
ライの背中にワイアットは、返事をした。


森の奥にあるオーク鬼やコボルト等の住みか。


「意外と楽だったな先生の方が、比べようにならんほど強いな。ん!新手か?」
脳内に電流が走ったかの様な感覚にも、ワイアットは慣れたもので使いこなしていた。


「あれは、トロール鬼ではないか!今の私では倒せそうにないな。しかし、彼処に居られては帰れない。一撃離脱で帰り道に乗り、帰るか……それではやるか。」
ワイアットは、冷静だった。勝利の高揚感も全能感も無く自分と相手を分析出来るほどには。


「くぅ。通らせてくれなんだか。しかし、ここで死ぬのも……」
トロール鬼の体には似合わない俊敏な動きにワイアットは押されていた。


「ずいぶんとあの鈍亀にやられたな。」
聞き覚えのある声がこだまする。


「その声は!先生!」
ワイアットは、驚きの声をあげた。


「貴様が森を滑るように走るから探したぞ!全く手間がかかる教え子だ。我が教え子によくもここまでしたな。貴様の返事はいらんかかってこい。
そうしたら、私が強いのと戦術とはなにかを身をもって教えてやるぞ。ヒヨッコがぁ!」


トロール鬼をワイアットの力を借りずに、美しい舞を踊るかの様に切り伏せたライ。

今、白の前で別れの時が迫っていた。

「あれは、予想外だったがグリーンお前は我が教え子のなかで一番だろう。何故ならば、慢心するわけでもなく自分の力量の中で精一杯働いたのだからな、約束通り授業は終いだ。
グリーンいや殿下。」
完全にワイアットを認めた様子のライ。


「先生!さようなら!」
ライの言葉に感動を隠しきれないワイアットだった。


……回想終了……

我ながら良く生きていたな。
まぁ明日は外交パーティーでの私の御披露目のようだし、寝るとしよう。

ワイアットは寝た。

明日、運命の出会いがあるとはしらずに……

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