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DQ4TS 導く光の物語(旧題:混沌に導かれし者たち) 五章
五章 導く光の物語
5-13港町と商人
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けかもしれねえがな」
「それはそれで、ありそうですね。現実は、厳しいです」
「最初から、することは決まってたようなものだけど。トルネコさんがひとりで行ってるなら、のんびりもしてられない。すぐに、灯台に向かいましょう」
「うん。ひとりじゃ、あぶないものね。わたしと、いるよりも、きっと。」


 馬車を引き取り、灯台に向かう。

「馬車を連れて行っても、大丈夫ですか?灯台に入るときには、置いていくことになりますが」
「パトリシアなら、大丈夫です!馬車から離して、いつでも逃げられるようにしておけば!離れていても、呼べばすぐに戻ってきますし!」
「そうですか。パトリシアは、優秀ですね」
「そうなんです!」

 進む一行の前に、魔物の群れが現れる。

「急ぎだから、とりあえず吹っ飛ばしていいな。ひとまず、下がってろ」

 魔物の群れはマーニャが集団攻撃呪文で壊滅(かいめつ)させ、単体の魔物は物理攻撃で殲滅(せんめつ)し、灯台へと急ぐ。


 灯台に着き、パトリシアを馬車から離し、馬車が目立たないように草で(おお)う等して準備を整え、ホフマンを先頭に、少女、ミネア、マーニャの順で続き、灯台に踏み込む。

「ユウはまだ、屋内の戦闘に慣れたとは言い(がた)いですが。ホフマンさんもいますし、私が前に出ると、かえって邪魔になりそうですからね。この順番のまま行きますが、気を付けてくださいね」
「うん。盾も、髪飾りもあるし。大丈夫だと思うけど、気を付ける」

 まだ日も高いが、灯台の中は薄暗く、邪悪な気配で()たされていた。

「洞窟よりは、マシかと思ったが。辛気(しんき)くせえ塔だな。気に入らねえ」
「邪悪な光を放つようになったというからね。なにか、あるんだろう」

 警戒しながら進んでいると、誰かが走ってくるような物音(ものおと)が聞こえてきた。

「なんか、聞こえるな」
「トルネコさんですかね!」

 物音がするほうに目をやると、商人らしき女性が、突進(とっしん)するような勢いで走ってくるのが見える。

「あっ!あれは、やはり!」

 顔を輝かせるホフマン。
 突進する女性。

「え。ホフマン、さん」

 明らかに女性の動線(どうせん)(じょう)にいるのに、全く()けようとしないホフマンに当惑(とうわく)する少女。
 兄弟が無言(むごん)で少女の腕を(つか)み、安全な位置に()けさせる。

「あぶな」

 少女が言い終わらないうちに、女性がホフマンに衝突(しょうとつ)し、女性の(てつ)のまえかけとホフマンの青銅(せいどう)(よろい)が激しくぶつかりあう金属音が響き渡り、ホフマンが勢い良く(はじ)き飛ばされる。

「うわーっ!!」
「きゃーっ!?」
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