暁～小説投稿ｻｲﾄ～:DQ4TS　導く光の物語（旧題：混沌に導かれし者たち）　五章 5-13港町と商人

暁～小説投稿ｻｲﾄ～

DQ4TS　導く光の物語（旧題：混沌に導かれし者たち）　五章

五章　導く光の物語
5-13港町と商人
[4/7]

お願いします」
「では、どうぞ！盾の具合も、良さそうですな！」
「ええ」
「ささ、お嬢さんも。着(つ)けて差し上げましょう！うん、よくお似合いだ！」
「えっ。えっと」
「思った通り、似合いますね」
「やっぱ、女は華(はな)がねえとな。似合ってるぜ、嬢ちゃん」
「おふたりとも、さすがに世慣れてますね！」
「そこでこっちを褒(ほ)めちまうのが、お前の駄目なとこだな」
「……ぼくにはまだ、難易度が高いです」
「……うん。うれしい。ありがとう、みんな」

　少女は髪飾りにそっと手をやり、微笑む。

「そうそう。そうやって、素直に受け取っときゃいいんだ」
「本当に、必要なものですからね。遠慮することは、なにもないんですよ」
「うん」
「しかし、みなさんがたも、羽(は)振(ぶ)りがいいですな！さすがに、トルネコさんほどではないですが」
「トルネコさんに、会われたんですか？」
「ええ。今、港のドックで船を造(つく)ってるはずですよ。なんでも、船を買って世界を回り、伝説の武器を探すつもりとか。まったく、武器屋の鑑(かがみ)ですな！」
「伝説の、武器を」
「いやー、ワタシもいつかは、金を貯めて自分の船を持ちたいもんですが。金があると、ついつい飲んじまいましてね！悲しいもんです」
「おお、わかるぜ。あると思うと、つい遣(つか)っちまうんだよなあ」
「わかっていただけますか！」
「そんなことより、今はトルネコさんに会いに行ってみよう。船のこともだし、探してるという武器のことも、聞いてみたい。すれ違いになる前に、急ごう」
「いやー、焦ることはないと思いますよ。すれ違いようもないというか、なにしろ船が出せないのでは。」
「船が、出せねえだと？」
「どういうことですか？」

　不穏(ふおん)な言葉に、マーニャとミネアが反応する。

「いや、なに。この港町の東には、灯台(とうだい)があるんですがね。その灯台が、おかしなことになっちまって。近頃(ちかごろ)になって魔物が棲(す)みついたって話で、船が出ると、邪悪な光を出して、船を沈めちまうってんですよ。」
「灯台に、魔物、ですか」
「なんでも、船を沈められて、絶望のあまり自殺しちまった人もいるとか。それを考えると、飲んじまって正解でしたかね。」
「人が、死んじゃった、の」
「まあ、そうなったのも、本当に最近の話で。最後に出た船には、サントハイムの王子様ご一行(いっこう)が乗ってたって話ですよ。皆さんもトルネコさんも、運が悪かったですね。」
「灯台、か。ま、洞窟よりゃマシだな」
「……まずは、トルネコさんだ。港のドックに、行ってみよう。ご主人、ありがとうございました」
「へい！まいど！」

　商店街を離れ、ドックに向かう。

「トルネコさんに、会えそうなの

[8]前話 [1]次 [9]前最後最初 [2]次話

※小説と話の評価する場合はログインしてください。

[6]

[0]目次に戻る

暁～小説投稿ｻｲﾄ～
利用規約/ﾌﾟﾗｲﾊﾞｼｰﾎﾟﾘｼｰ
利用ﾏﾆｭｱﾙ/ﾍﾙﾌﾟ/ｶﾞｲﾄﾞﾗｲﾝ
お問い合わせ

2024 肥前のﾎﾟﾁ