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同士との邂逅
三 災厄
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見せないその子に、逆に横島のほうが感情剥き出しになる。

「…どういう意味だ?災厄って……アイツがなにかやったのか?」
「……………………」

目を細める横島を前に、子どもは押し黙る。
その様子から察した横島は、重い空気を振り払うように軽い口調で話し始めた。


「それよかお前から借りた金でメシ作ったんだ!台所なんもねーからな…」
「…別にいらない…」
頑なに拒む子どもに、横島は諭すように話し掛ける。
「そー言うなよ〜。生まれて初めて作ったんだぜ!美味くできた保証は……ないッッッ!!」
「不味いこと前提か…」
呆れの混じる子どもの言葉を気にせず、横島は皿に料理を盛りつける。
「ほれ」
そう言って料理を差し出す横島の手を、子どもは突然左手で叩き払った。



ガチャンと、皿が割れる。
乗っていた食べ物が床に転がり広がった。




「な、なにすんだっ!!??」
一瞬の静寂の後、横島は子どもに怒ろうとして…すぐに怒りの色が消えた。

子どもは床に散らばる食べ物をじっと見ている。
面で表情は見えないが、子どもがくしゃりと顔を歪めた気がした。
しかしすぐにその辛い雰囲気は消え、横島に無情にも言い放つ。
「…左腕は骨など折れていない。残念だったな…無駄な詮索は止めておけ。後悔することになる…」

諦めの意が込められた言葉を残し、子どもは横島からあからさまに顔を背け。
そのまま先ほど入ってきた窓から外へ飛び出して行った。






時計の針だけが、虚しくチッチッチと音を刻む。
…………三日目の夜も、狐面の子どもはそれから帰って来なかった。

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