一 遭遇
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本だったのが幸いした。数本だと確実に避けられなかったであろう。
数々の修羅場を潜り抜けてきた横島も、全く隙を見せない相手に追い詰められていた。
一方サイキックソーサーを見た子供のほうも、驚いていたのか動きを止めていた。
しかしそれも一瞬で、すぐさま冷やかに細めた双眸で探るように横島を見つめている。
ようやく一筋縄ではいかないと警戒する横島に子どもは無造作に近づいて。
横島の体を、掛け声もなしに担いだ。
「…は?」
何の前触れもないその行動に、横島は呆気にとられる。
ぽかんとする彼の言葉も待たず、どこにそんな力があるのか横島を華奢な肩の上に乗せた子どもは音も無く地を蹴った。
「ちょ!?のわああああぁ―――――――――――――っっ!!!???」
「…口を開くな。舌を噛むぞ」
木の枝に見事に着地した子どもはそのまま木々の合間を縫うように走る。
木から木へ飛び移っているのだが、並みの者では視界に捉えることさえできない速度である。
あまりのスピードに横島は思わず身をよじり…木の枝に思い切り頭をぶつけた。
その衝撃に、彼の視界は暗転した。
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