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形而下の神々
Green Bullet
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ランシェがなにやら真剣な顔でこちらを向く。

「そのグローブと俺の盾、交換しないか?」
「なんでまた?」

「俺は盾なんて使わないんだ。だから力持ちのグローブの方がよっぽど役に立つ。
タイチも、盾の方がいいだろう?」

 確かにグランシェの言う通り、少なくとも今はまだ俺は攻撃に回らないだろうからこのグローブは必要ない。
 やはりここはグランシェの盾、オルガフが俺にお似合いな神器だろう。

「そうだな、俺としてもその方が助かるよ」


 こうして、一時的にだがオルガフは俺の神器になった。変わりにグローブはグランシェに手渡したが、グランシェが攻撃、俺が防御役だと考えればそれはそれでありかも知れない。


「グランシェっ!!スティグマのボスは一人で原子球の保管庫へ行ったらしい!!」
 サンソンの叫び声だ。彼の声は良く通る。これも筋力の流動と関係しているのだろうか?

 グランシェはあらかじめ貰っていた地図を見る。

「保管庫は……神殿の隣だな」

 そう言うが早いか迷いなく走るグランシェ。必死について走る俺。

 不思議と自分達のリーダーを守りにすら来ないスティグマ達。目先のレミングスの相手で精一杯なのか、はたまたリーダーが相当嫌いなのか……。

 2分ほど全力疾走した先に、神殿らしき白く綺麗な建物と併設された頑強な石の建物を発見した。
 その扉の前には一人の人間。いや、一人のスティグマが居た。

「あいつがスティグマのボスか?」

 分かりきった事だが、確認を取る。

「あぁ……しかしどこかで見たことがある気がするんだよな、あのシルエット」

 良く分からないグランシェの話は置いといて、俺達は俺達の任務を果たそう。
 そう思い、俺は大きく声を上げた。

「おい!! そこの赤髪の女!!」
「……あぁ?」

 どんな返事だよ……なんて態度の悪い奴だ。人の事は言えないケド。


 その女は黒く薄い、動き易そうな服を着て、真っ赤なストレートを腰まで垂らしていた。
 返事をしながら上目遣いに振り向く彼女。

 が、一瞬にしてその上目遣いな目は驚きの目へと変わった。

「グ……グリーンバレット!?」
 女が素っ頓狂な声を上げる。

「緑の弾丸?」
「いやいや、大自然の弾道と訳せよ」

 俺が呟いた解釈が気に入らなかったのか、グランシェが訂正してくる。

「お前……トゥーハンドか」
 グランシェが女に聞く。

「え?まさかの知り合い?トゥーハンド?二本腕?」
「違う違う。しいて言うなら『二流兵器』だ」

 さっきからの感じだと、グリーンバレットというのはグランシェの事らしい。
 それにしても二流って……。

「なんか弱そうだな」
「違う違う
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