第九十一話 ヴィンドボナの日々
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ュラ舎、バグベアー舎があり、それらのモンスター全てが元気が無かった。
「可哀想だが、僕らが心配する事はないか、行こうかカトレア」
「……はい」
カトレアは後ろ髪を引かれる思いで先を行くマクシミリアンに続くと、一人の不審な男がカトレアの目に止まった。
一見、市民風のその男はベンチに座りながら、モンスター達を見ていただけの様に見えたが、勘の鋭いカトレアはその男に不穏な雰囲気を感じた。
「おーい、カトレア。どーした?」
「マクシミリアンさま。この子供連れの多い動物園に不釣合いな方が居たので……」
「なに?」
マクシミリアンはカトレアの言った不審な男を探し辺りを見渡したがそれらしい男は見当たらなかった。
「何処だ? それらしい男は見かけなかったぞ」
「そんなはずはありません。たしかにあそこのベンチで……あら、居ない?」
カトレアが見た不審者は、カトレアがほんの少し目を離した隙に何処か居なくなってしまった。
マクシミリアンとしても、不審者の姿を探せばいいのだがそろそろ時間が差し迫っていた。
「カトレア。そろそろ宮殿の皆も、僕達の仕掛けに気付くころだろう。カトレアの見た男も気になるが早く帰ろう」
「……そうですね。気になりますがミシェル達に心配を掛けさせる訳にもいきません」
二人はショーンブルン宮殿に戻り、一週間後のアルブレヒト3世の戴冠式に臨んだ。
☆ ☆ ☆
マクシミリアンを始めとするトリステイン訪問団は順調に滞在のスケジュールを消化し、いよいよアルブレヒトの戴冠式当日になった。
新ゲルマニア皇帝アルブレヒト3世の戴冠式は、ヴィンドボナのシンボルであるシュテファン大聖堂で戴冠し、その後アルブレヒトが居城としているホークブルク宮殿へ移動後、大々的な、トリステイン国王夫妻をはじめ多くの来賓がシュテフォン大聖堂に集まっていた。
「マクシミリアン陛下。結婚式以来ですね」
「オルレアン公……」
オルレアン公シャルルが、高齢のガリア国王の代理として出席し、二人は数年ぶりの再開を果たす事になった。
ここ数年のシャルルは父王の代理として精力的に各国に飛び回り、次期ガリア王として徹底的にその顔を売り込んていた。
「陛下。少々お時間よろしいでしょうか?」
「会談ですか。15分程ならいいですよ」
「ありがとうございます。マクシミリアン陛下」
突然の会談の申し出にマクシミリアンは潔く了承した。
シャルルがガリア王の玉座への野心を隠しながらも狙っている事を、クーペを介して知っていて、トリステインの益に利用できると思った
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