初めてのボス戦
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かいて座りぼーっと天井を眺めていた。
「あの、ゲツガ君」
「ん、ああ、姫騎士か。さっきはありがとな」
ゲツガはユキに気付くと礼を述べる。
「いいよ、あれくらい。ちょっと、聞いていいかな?」
「いいけど、俺なんかの何が聞きたいんだ?」
ゲツガは首を傾げる。先ほどまでの集中した姿とは結構かけ離れていた。ユキは自分のことを覚えているか聞いた。
「その、私のこと覚えてる?」
「え?新手の逆ナンパ?」
「違うよ!私が言ったのは君が私が死にそうになった時、助けたときのことをきいてるの!」
「ああ、そういうこと。ううん……たくさんあったからな、そういうの……」
ゲツガは腕を組んで考え始める。するとすぐに顔をあげて言った。
「わかんね、結構あったからな印象に残ってるのが結構ありすぎてな、すまん」
「そうだよね……アスナが言った通りだよね……」
ユキはゲツガが自分のことを覚えていないことに悲しさを感じた。ユキは改めてゲツガに頭を下げる。
「それでも私はゲツガ君に助けられたの。本当にありがとう。あなたのおかげで私は今も生きています」
そう言うとゲツガはどこむず痒そうな顔をしてから頬をかいた。
「そこまでしなくていいから。それに助けた人の顔も覚えれない奴に、お礼を言う必要はないって。だから頭を上げてくれ」
ゲツガはユキに頭を上げるように言った後、少し驚いた顔をして言った。
「しかし、助けた人が姫騎士で今や攻略組にまでなってるなんて、本当に驚いたな」
「うん、私は目標を見つけたから」
「そうか。それはよかった」
そう言ってゲツガは武器を背中に背負って立ち上がる。
「じゃあ、俺、今日は疲れたから帰るわ」
「あ、ちょ「ユキ様〜!ギルドホームに帰りますよ!!」え?」
「じゃあな」
そう言ってゲツガは転移結晶を使って帰っていた。
「あ、帰る前に、私の名前を覚えてって言おうとしたのに」
ユキは頬を膨らましてボス部屋から出て行った。今度ゲツガに会った時は姫騎士などではなくユキと呼んでもらおうと、そう決めた。
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