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ロミオとジュリエット
第一幕その四
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 それに応えて右手を差し出す。ロミオはその前に片膝をつき接吻をした。
「さあお立ちになって下さい」
「宜しいのですか?」
「はい、そして私の前に」
「わかりました」
 ロミオはそれを受けて立ち上がった。そしてジュリエットと向かい合う。
「心は静まっていますが」
「聖人の様に」
「私はその様な尊いものでは」
「いえ、それは違います」
 ロミオはジュリエットを謙遜を否とした。
「聖人は薔薇色の唇を持っていると聞きます。そして貴女も」
「いえ、私にできるのは祈ることだけです」
 それでもジュリエットは言う。
「ただ祈るだけ」
「その祈りこそが聖人の祈りなのです」
「私の祈りが」
「そう、何もかもが」
 ジュリエットを見詰めて言う。仮面の下の目と目が重なり合った。
「私にとっては尊いものなのです」
 ロミオが言った。
「ですから僕は今ここに」
「私の前に」
「いけませんか?」
 ジュリエットに問う。

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