第六章
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らなかった」
サウナで身体を叩くその姿からだというのだ。
「だがそこで見抜いた、そういうことだ」
「奴もそのことには気付かなかったのですね」
「流石に」
「その様だな。奴は今頃ロシアだ」
そこにいると予想が立てられる。
「あの国でどうしているかな」
「さて。サウナでしょうか」
「そこで何故見破られたか考えているのでしょうか」
「だとすれば面白いな」
課長は己の席で笑って述べた。極めて緻密な中尉のなりすましだったがそれは見事見破られたのだった。
そして彼等がそうした話をしている頃中尉は実際に上官とサウナに入って話をしていた。だがどうして見破られたのかわからずに。
ぼやく顔で言うのだった。
「全く。どうして見破られたのか」
「わからないか」
「はい、それがわからない限り日本に潜伏することは難しい様です」
こう言うのだった。そしてサウナを出る時に葉のついた木の枝で身体を叩いて垢を落とした、彼にとっても上官にとってもこれは自然のことであり何も妙に思うことではなかった。
癖 完
2012・11・2
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