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機動6課副部隊長の憂鬱な日々
第109話:隊舎復活
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のはが目ざとく俺を見つけ、手を振ってくる。

「ほんまや。おーい、遅かったやんか」

なのはにつられて、はやても俺に向かって手を振ってくる。

「悪い、遅くなった」

「ったく。相変わらずおめーは副部隊長のくせにだらしねーんだよ。
 なあ、シグナム」

「ああ。皆の規範となるべき者にもかかわらず、情けないことだ」

ヴィータとシグナムがそんな言葉を俺に向かって投げてくる。

「はいはい。以後注意するから、今はサッサと並んでくれな」

俺は2人の言葉を軽く流し、式典を時間通りに始めるべくそう言うと、
2人は不承不承の体でステージの右側に並ぶ。
他の面々も2人に続くが、その中ではやてだけが俺のそばにやってきた。

「なあ、ゲオルグくん。 なんやクロノくんと話しとったみたいやけど
 何の話しやったん?」
 
そう訊くはやての表情は真剣そのものだ。
クロノさんからは新部隊設立の件は誰にも話すなと言われている以上、
本当のことをはやてに話すわけにもいかず、頭の中で急きょ適当な言い訳を
組み立てる。

「ただの雑談だよ。この前2人で飲んだ時に、クロノさんがぐでんぐでんに
 酔っぱらっちゃってさ。俺が介抱したから迷惑かけて悪かったってさ」

急に考えた話の割りには、我ながらスラスラと話せたと思う。
だが、はやては厳しい表情を崩さず、俺の顔をじっと見つめる。

「ふーん、あっそ。ま、ええわ。ほんならね」

はやては投げやりにそう言うと、肩をすくめて背中を向けた。

「おう。挨拶頼むな」

「はいはい」

はやてはそう言うと、ひらひらと手を振りながらステージの方へと
歩いて行った。

(ありゃ嘘ついてるってバレたな・・・。ま、しょうがないか・・・)

はやての背中を見送ってから、ステージを挟んではやて達の反対側に立つ。
正面に目を向けるとホールの中に隊員がずらっと整列している。

「ゲオルグさん、どうぞ」

「ああ、ありがとう」

グリフィスが差し出したマイクを受け取ると、退院たちが居並ぶホールの中を
ぐるっと見回し、開式の挨拶を始めるために深く息を吸う。

「これより、機動6課新隊舎完工式典を開催する。
 まずは、八神部隊長より挨拶を頂く」

そう言って、ステージの向こうに居るはやてに目線を送る。
はやての方も俺に向かって小さく頷いて、ステージに上がる。

「去年の夏、戦闘によって前の隊舎が破壊されました。
 幸い誰一人欠けることなくを戦闘を切りぬけることができたとはいえ、
 その後は代用隊舎での不便な生活を強いてしまうことになってしまいました。
 そのことが助けになったこともありましたが、隊の本拠地である隊舎が
 破壊されたということは、
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