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難攻不落
第六章
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「お兄ちゃんと三人一緒にそれでここ回ればいいじゃない」
「三人でって」
「僕こうしたらいいと思うけれど。どうかな」
「あんたがそうしたいっていうんなら」
 どうやら佳奈は弟には優しいらしい、それでだった。
 無意識のうちに龍輝に顔を向けてそして彼に尋ねた。
「あんたはそれでいいの?この子にここのこと教えてくえる?」
「そうしてくれるの?」
「岩瀬さえよかったらな」
 龍輝は思わぬ展開に内心驚き喜びながらもこう答えた。
「俺はいいぜ」
「そう。だったらね」
「毎週ここに来たいよね。お兄ちゃんも優しいから」
 男の子は無邪気なままで言っていく。
「そうしようね」
「あんたがそう言うならね」
 佳奈は自分の弟にはでれでれとして頷く。そしてだった。
 三人で毎週商店街を回ることになった。このことについて。
 龍輝はクラスメイト達に明るい笑顔でこう言ったのだった。
「三人いつも一緒にな」
「デートかよ」
「そうなってるのかよ」
「商店街だけじゃなくてな」
 彼は食堂できつねうどんと他人丼を食べながらクラスメイト達に話す。
「祭にも行ったからな」
「おい、岩瀬の浴衣姿かよ」
「それも見たのかよ」
「何か御前岩瀬の弟さんに凄い助けてもらってるな」
「凄いな」
「弟さんに本当に助けてもらってるよ」
 こう笑顔で言うのだった。
「本当にな」
「弟さんいたら困らないのか?」
 クラスメイトの一人が定食のハンバーグを食べながら尋ねた。
「所謂瘤つきだろ」
「いや、全然」
「なってないのかよ」
「それどころか弟さんが俺に懐いてくれてな」
 それでだというのだ。
「毎週デートできてるからな」
「弟さんありきなんだな」
「そうなんだな」
「そうだよ。それに岩瀬ってな」
 佳奈自身もどうかというと。
「実はかなりのブラコンでさ」
「弟思いなのかよ」
「そうだったのかよ」
「ああ、そうだったんだよ」 
 佳奈のそうしたところがわかってそれでだというのだ。
「俺にしてもさ」
「可愛いんだな」
「そう言うんだな」
「元々美人だしな」
 そうした性格的なところがわかって、だというのだ。
「いい感じだよ。例えて言うとな」
「ああ、例えるとな」
「どうなるんだよ」
「あれだな。家族でのデートだな」
 それになるというのだ。
「まさにな」
「親子でっていうんだな」
「そえになるってのかよ」
「そうだよ。そうしたデートもいいものだぜ」
 これは実は彼にしても実際にやってみてわかったことだ、実際にしてみないとわからないことは多いがこうしたデートもだというのだ。
「今じゃ岩瀬と二人で話したりもするからな」
「じゃあ交際してるんだな」
「そう思っていいんだな」
「ああ、向こうも
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