第一章
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内緒にしてたのに
早坂真耶子はアーモンドの形をしたはっきりとした目を持っている。口は一文字でありピンクの唇は薄めだ。
白い肌は細面の顔もそうであり鼻立ちじは適度に高く大きめのエルフとまではいかないがやや尖った感じの耳を持っている。
黒い髪を伸ばしカールにもさせて後ろで束ねている。小柄ですらりとしたスタイルである。、
その彼女が今クラスで親友の宮元香織と話をしていた。
真耶子は笑顔でこう言う。
「決めたのよ、今度の日曜ね」
「その日なのね」
「彼氏、家に呼ぶから」
この冒険の計画を今言ったのである。
「そうするから」
「いよいよなのね」
「そう、いよいよね」
そうするというのだ。
「もう大学も合格したしね」
「推薦合格ね」
「肩の荷が降りたし」
その開放感もあってだというのだ。
「いいかなって思って」
「その日家族の人いないのね」
「お父さんもお母さんも外出なの」
こうした話になると親は邪魔以外の何者でもない、その親がいないからだというのだ。
「弟連れてね」
「家にいるのはあんただけ」
「好都合でしょ」
「最高の条件ね」
「チャンスは逃さないから」
真耶子はにこりとして香織に言った。
「だからね」
「彼氏を家に呼んで」
「ええ、後はね」
「ああ、もうそこからはね」
「言うまでもないわよね」
「わかるわ」
香織も笑顔で言う。
「いよいよよね」
「そう、いよいよよ」
「それだったらホテルにしないの?」
「ホテルね」
「そう、そこにしたら?」
「ホテルってあれじゃないの?」
真耶子は難しい顔で香織に言った。
「お風呂場本当に洗ったかどうかわからないし」
「ああ、ちゃんと洗ってるわよ」
「それでもベッドがね」
風呂場はよくても今度はそれだった。
「前の人が最初に何をしたのかわからないじゃない」
「汚れてるとか?」
「何日もお風呂入ってないのに裸で入ったりとか」
「普通その前にシャワー浴びるでしょ」
「じゃあ殺人事件があって幽霊が出るとか」
とにかくホテルにはこう言う真耶子だった。
「そういうのよく聞くから」
「嫌なのね」
「遠慮したいわ、だからね」
自分の家に彼氏を呼ぶというのだ。
「そうするから」
「わかったわ。それじゃあね」
「ええ、じゃあね」
こう話してそうしてだった、真耶子は彼氏を自分の他には誰もいない家に呼ぶことにしたのだった。この話は決定事項だった。
そう、誰もいない。だが香織はここで念の為に問うた。
「誰もいないわよね」
「いないわよ」
「お隣さんとかも大丈夫よね」
「お互いに無関心だからね」
本当に大丈夫だというのだ。
「安心していいわよ」
「お向
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