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洞窟
第三章
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るというのだ。
「そうしよう、それでいいな」
「わかりました、それでは」
「しかし。わからないものだな」
 若本は広瀬に己の決断を述べたうえで難しい顔で述べた。
「最初は何もいない洞窟に蛇が入り人を襲うとはな」
「はい、しかも誰も気付かない場所から」
「銃や砲があるこの時代に人が蛇に食われる」
「世の中というものは案外基本は変わらないものかも知れませんね」
「その様だな」
 岩本は難しい顔で述べた、蛇はいなくなったが彼も広瀬も人は文明を進歩させてもその基は変わらないのではないかと深く思うことになった、この事件から。


洞窟   完


                   2012・12・19
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