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ポケモン+ノブナガの野望
始まりの章
始まりの章
始まりの世

[2]次話
 ここはランセ地方。

 17の城があり、そこを統治する人間、ブショーがいるところである。

 彼らはポケモンバトルをすることにより戦争の代用とし、この時代までやってきた。

「……おーい。どこいったんだよぉ……」

 森の中をひとりの少年が歩いていた。

 彼はポケモンを持っていなかった。

 彼は本来『ブショー』へとなるために熟練する期間――モラトリアムを実施している最中なのだ。だから、ポケモンも必要であるはず、それがこの時代なのだから。

 ポケモンのお供がいない人間は奴隷となり自らがポケモンの代わりとしてならねばならない。

 それは子供であっても無論大人でも通用する『ルール』であり、それを守らない人間なんて、いない。

 そんな、世界なのだから。

 さて。

 彼は今、何をしているかというと。

「おーい、シノー。どこに行ったんだよー!」

 ……彼は誰かを探しているようだった。

「あいつ、ポケモンを手に入れたからってすぐ躍起になって……。いったいどこへ行ったってんだ?」

 そのときだった。

 ひょこっ。

「ん?」

 草むらから、何かが出てきた。

 それは。

 茶色い毛並みに、筆の穂先のようなしっぽ、とても小さい目のそれは――

 そう、イーブイだった。

「い、イーブイ? なんでこんな田舎にイーブイがいるんだ?」

 かれは驚いたが。

 それよりも驚く出来事が起きた。

 イーブイは誰かに出会えたのが、嬉しかったのか、少年の胸にジャンプしてきたのだ。

「う、うわっ!」

 同時に、少年はバランスを崩した。

 ドテーン!! と転んだ割には壮大な音があたりに響いた。
[2]次話


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