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DQ4TS 導く光の物語(旧題:混沌に導かれし者たち) 五章
五章 導く光の物語
5-11温泉とおねえさんとおにいさんたち
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ものがわからないので、強いと言っていいのかわかりませんが。ぼくからしたら、十分強いです!」
「強い……?わたしが……?」
「ユウ。これも経験だと思って、やってみたらどうですか?人に教えることで、自分が学ぶこともありますよ。いつもの訓練の、ついででいいんですから。」
「経験……。……うん、わかった。旅に出る前に、毎朝早く起きて訓練するんだけど。大丈夫?」
「はい!最近はこもってましたが、元々は早く起きて、宿を手伝ってたんです!朝は強いので、大丈夫です!よろしくお願いします!」
「うん、よろしくね。教えるのは初めてだから、うまくできるかわからないけど。頑張るから。」

 やる気と気合いに満ちたホフマンと、真摯(しんし)に応じる少女の様子に、またミネアが呟く。

「ああ……。本当に、誰かに爪の(あか)(せん)じて飲ませたい……。」
「ぶつぶつ言ってねえで、さっさと行くぞ」


 慣れない砂漠に足を取られ、移動に()()()りながらも、()り返し襲ってくる魔物は問題なく退(しりぞ)け、()が明ける頃には砂漠を抜け、平原に入った。

「ここまで来れば温泉の町、アネイルはもうすぐですね!」
「ずいぶん元気だな、おい……。()(こも)ってやがったくせによ……」
「体力はありますから!」
「ユウ、大丈夫ですか?」
「うん。大丈夫」
「嬢ちゃんも、意外と元気だな……」
(きた)(かた)が違うからね。兄さんだって、踊りで鍛えられてそうなものなのに」
()()に歩き回るようなのは、(しょう)に合わねえんだよ……」
「あ!見えてきましたよ!」


 平原を通り抜け、早朝で人影も(まば)らなアネイルの町に入る。

「なんだか、へんなにおい……」
硫黄(いおう)のにおいですね。ユウさんも、温泉は初めてですか?」
「うん。おんせんってなに?」
「温泉というのは」
「おい。そんな話は後にして、とりあえず宿に入ろうぜ」
「そうだね。あそこに見える宿でいいかな?何軒か、あるみたいだけど」
「なんでもいいってか、奥のはずいぶんぼろっちいな。近いし立派だし、手前のでいいだろ」
「そうだね。じゃあ、行こうか」

 ホフマンが宿の手続きを買って出て、その間にミネアが少女に説明する。

「温泉というのは、水ではなくお湯が()()る泉のことで、そのお湯を使ったお風呂のことでもあります。色々な成分がお湯に溶け込んでいて、身体(からだ)に良いと言われていますね。さっきホフマンさんが言っていた硫黄というのも、その成分のひとつです」
()かさなくても、自然に沸いてる、お風呂?それが、身体にいいの?」
「はい」
「入れるの?」
「もちろん」
「旅に出てから
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