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DQ4TS 導く光の物語(旧題:混沌に導かれし者たち) 五章
五章 導く光の物語
5-09裏切りと憎しみと
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 暗い声で、静かに話していた若者は、突然叫びだし、全てを拒絶(きょぜつ)するように、頭から布団をかぶる。
 少女は驚き、姿を隠した若者のいるベッドを見つめる。

 少女と若者のやり取りを見守っていたミネアが、少女に声をかける。

「ユウ。行きましょう」


 部屋を出た三人は、宿の休憩所に落ち着く。

「面倒くせえ野郎だな。なんで野郎のダチのしたことで、オレたちまで疑われなきゃならねえんだ」
「それだけ、衝撃が大きかったんだろう。とは言え、困ったな」
「……世界で、いちばん。大切。」
「ああ。んなこと、言ってやがったな」
「宝物は、(もの)よね?」
「あ?まあ、そうだな」
「世界で、いちばん、大切な、(もの)と。いちばんの、おともだちは。どっちが、大切なの?」
「そりゃあ、()()って、言いてえところだが。人に、よるんじゃねえか」
「……わたしは。シンシアとか、みんなとか。マーニャや、ミネアより。大切な、物、なんて。ない。」
「……」
「シンシアの、羽根飾りとか。師匠(ししょう)にもらって、ずっと使ってた、剣とか。おかあさんが、作ってくれた、服、とか。木こりのおじさんと、ミネアと、マーニャにもらった、(もの)とか、お(かね)とか。大切な(もの)、は、たくさん、あるけど。大切な、(ひと)、より。大切な、(もの)、なんて。ない。」
「……ユウ」
「あの、おにいさんは。おともだちよりも、大切な、(もの)、が。あったの、かな」
「……」
「あると、思ったの、かな」
「裏切られたって、話だからな。まさか(もの)のために、()()()くすとも思ってなかったんだろ」
「おともだちは。おにいさんが、大切じゃ。なかった、のかな」
所詮(しょせん)、他人のことだからな。なんとも、言えねえな」
「……洞窟、に。なにか、あるのかな」
「ない。とは、言えねえな」
「……わたし。洞窟に、行ってみたい。」
「そうですね。ここでこうしててもどうにもならないし、行ってみましょうか」
「……やっぱ、そうなんのかよ」
「マーニャは、行きたく、ない?」
「地面の中は、(しょう)にはあわねえが。行くってんなら、仕方ねえ」
「洞窟が、嫌いなの?」
「ああ、嫌いだな。」
「おい、兄さん」
()()()しても、仕方ねえだろ。必要なら行くんだから、いいだろうがよ」
「ごめんね、マーニャ」
「嬢ちゃんのせいじゃねえだろ。あの野郎が、面倒くせえだけだ。行くと決まったら、さっさと行こうぜ」
「うん」


 砂漠の宿を出て、宿からさらに東にある、人里(ひとざと)離れた洞窟に向かう。
 魔物の()れとの戦闘を重ね、進む。

 途中、()()を自分で癒(いや
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