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DQ4TS 導く光の物語(旧題:混沌に導かれし者たち) 五章
五章 導く光の物語
5-08広がる世界
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まうことがありますからね」
「うん。わかった」

 近づく少女に、馬が顔を向ける。

 さらに、少女が近づく。

 馬は少女を見つめ、顔を寄せてくる。

 少女が、そっと手を差し出す。

 馬は、鼻先を()()せる。

(……おとなしい)

 少女の胸に、温かい何かが生まれる。

 可愛いと思う気持ちだったが、小さな子供とも、動物とも触れあう機会のなかった少女には、よくわからない。

「なかなか、可愛い奴じゃねえか」
「ずいぶん人懐こいね。ユウが、動物に好かれるのかな」

(……かわいい。人なつこい。わたしが、好かれてる?……かわいい。)

「嬢ちゃんと、気が合うみてえだし。いっそ貰えりゃ、旅が楽になるんだがな」
「さすがに、それは無理だろう。とにかく持ち主を探して、交渉しよう」

 少女は馬から離れ、三人は砂漠の宿の中に入っていった。
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