暁 〜小説投稿サイト〜
DQ4TS 導く光の物語(旧題:混沌に導かれし者たち) 五章
五章 導く光の物語
5-07心機一転
[3/6]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
た者が、旅に出て、魔物を倒し、経験を積むことで、急激に魔力や能力が上がることがあるそうです。失敗してもいいから、試してみましょう」
「……うん。わかった」
「しかし、メラとホイミの適性(てきせい)を持ってるなんてことが、あるのかな。いくら兄さんの言うことでも」
老師(ろうし)も、素質(そしつ)はあるって言ってた」

 それは、勇者だから。

 思い当たった理由は、口に出さずにミネアは返す。

「そうですか。なら、きっと、大丈夫ですね」


 東に向けて歩き出し、しばらく進んだところで、五体の魔物の()れに()う。

「オレとミネアは、寄ってくる奴らを適当にあしらうから。嬢ちゃんはこっちのことは気にしねえで、好きにやれ」
「うん。わかった」

 マーニャが毒蛾(どくが)のナイフを、ミネアがモーニングスターを構え、魔物の意識を引き付けて、群れを分散させる。

 少女は目の前の魔物に集中し、(はがね)(つるぎ)一閃(いっせん)させる。
 ひとりで旅していたときは、二回は攻撃しなければ倒せなかった魔物が、一撃の(もと)、倒れる。

(武器を、変えたからかな。いい武器って、すごい)

 考えながらも、次の魔物に対応するため、体を動かす。

(ほんとに、使えるかな)

 目の前の魔物から倒したことで、次の魔物には少し距離がある。
 発動したことは無かったが、何度も練習した通りに手をかざし、唱える。

「……メラ」

 かざした手に魔力が集まり、熱くなる。
 炎の熱さではない、魔法が発動する感覚。
 感じたと思った刹那(せつな)火球(かきゅう)が飛び出し、狙った魔物に炸裂(さくれつ)する。
 断末魔(だんまつま)と煙を上げて、魔物が倒れる。

「……できた。次」

 三体目の魔物に向かうが、相手の行動が早い。
 かわし切れないとみた少女は、無理に()けようとせず、受け身を取り、攻撃直後の(すき)を狙って、鋼の剣で反撃し、倒す。

「……次」

 (まわ)りを見回すが、残り二体の魔物は、兄弟があしらううちに倒れていた。

「……思った以上に、危なげねえな。魔物が弱いってもよ」
「真面目に訓練を積んでるだけあるね。これなら、よほどのことがない限り、大丈夫かな」
「殴りなら、オレより威力が出てるかもな」
「武器が、いいから。前は、もっと大変だった」
「それも、あるとは思いますが。メラも使えたし、能力も上がってるかもしれませんね」
「そうかな。そうだと、いいな」
「攻撃食らってたろ?ホイミも使ってみろよ」
「うん。……ホイミ」

 攻撃を受けた場所にかざした手が淡く光り、体力が回復する。

「ほんとに、できた」
「良かったな」
「う
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ