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DQ4TS 導く光の物語(旧題:混沌に導かれし者たち) 五章
五章 導く光の物語
5-03踏み出す少女
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かった」
「そして、ふたりの間には、可愛い赤ちゃんが生まれたとか。」

(あかちゃん。ふたりの間に生まれたなら、ふたりの子供。)

「そのあかちゃんは、どうしたの?」
「あらやだ。こんなの、おとぎ話に決まってるわ。お話は、ここまでよ。」
「そう。わかった。ありがとう」
「いいのよ。旅先のお話を聞くなんて、お勉強熱心なのね。」
「わたしは、色々知らないといけないの。なにも、知らないから。」
「まあ、無知の知ね。感心ね、頑張ってね。」
「うん、頑張る。それじゃあね」

 女性と別れ、城内を歩く。

(おとうさんとおかあさんは、本当の親じゃない。わたしが生まれたのは、おとうさんとおかあさんからじゃ、ない?木こりは、あの家に、ひとりでいた人。おとぎ話は、本当の話じゃないこと。)


 兵士を見つけ、声をかける。

「あの。すみません」
「どうした、お嬢ちゃん。迷子かい?」
「お話を、聞いて回ってるの。なにか、教えてください」
「なにかって、そうだなあ。エンドールに行けるようになったのは、知ってるかい?」
「うん。西の洞窟から、行けるって。」
「そのエンドールに、よく当たる占い師が来ているそうだ。」
「うらないしって、なに?」
「占いをする人だよ。占いは……未来のことや、運勢なんかを教えてくれることかな。」
「未来を。教えてくれる、人。」
「旅をしてるそうだから、いつまでいるかは知らないが。会えたら、俺も占ってもらいたいものだ。」
「そう。どうもありがとう。」
「本当に、迷子じゃないのかい?迷ったら、遠慮せずに言うんだよ。」
「うん、大丈夫。それじゃあね」


 さらに歩き、庭園に出る。
 ふたりの女性が、踊っている。

(なに、してるんだろう。訓練とは、ちがうみたい)

 じっと見つめる少女に気付き、女性のひとりが声をかけてくる。

「私たちの踊り、素敵でしょ!エンドールで大人気の踊り手様の、踊り方を参考にしてみたのよ。」

(おどり。よくわからないけど、楽しそうだった、さっきの動き。おどりて、おどりをする人?)

「おどりがなにか、わからないけど。楽しそうだった」
「そうでしょ!その踊り手様には弟がいらしてね。ふたりで勇者を探して、旅をしているって言ってたわ。」
「勇者を。探してる、人。」
「あのおふたりに、探されてるだなんて!羨ましいわ、私が勇者なら良かったのに!」

(勇者に、なりたい、人。わたしは、たぶん、勇者。なりたい人が、なれればいいのに)

「お話ししてくれて、ありがとう。もう行くね」
「そう。それじゃあね。」

 女性は再び、踊り出す。
 少女は背を向け、歩き出す。


(あとは、王様に会えばいいのかな。王様って、どこにいるんだろう
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