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DQ4TS 導く光の物語(旧題:混沌に導かれし者たち) 五章
五章 導く光の物語
5-03踏み出す少女
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ールにも行けるようになったんだ。大きな国だから、お嬢ちゃんの探してる人も、いるかもしれないね。とりあえず、そこに行ってみたらどうだい。」
「西の、エンドールね。ありがとう。」
「遠いから、行くなら気を付けて行くんだよ。じゃあね。」
「うん。さよなら。」


 商人と別れ、町を歩いていると、聞き覚えのある名前が聞こえてくる。

「トルネコという女性は、全く可哀想ですね。」
「エンドールに、大きい店を持ってるんだろ?何が可哀想なんだ?」
「洞窟を掘って、国と国を繋いだりしたから、魔物たちに狙われているとか。」
「戦士でもなんでもない、普通の女性だろ?いいことをしたばっかりに、そんな目に遭って。そりゃあ、可哀想になあ……。」

(洞窟を掘った、トルネコ。みんなに感謝されてる、人。魔物に、狙われてる、人。わたしと、同じ?……でも。知らない、人。)


 さらに歩いていると、老人の(なげ)く声が聞こえてくる。

「もう、おしまいじゃ!」
「おじいちゃん、落ち着いて。一体、どうしたのよ。」
「地獄の帝王を倒すはずだった勇者様が、魔物たちに殺されたそうなんじゃ!おしまいじゃ!世界はもう、終わりじゃ!」
「だから、落ち着いてったら。勇者を目指す人たちなら、しょっちゅうお城に来てるそうじゃない。大丈夫よ。」
「勇者様とは、そんなものではないんじゃっ!」
「はいはい。そろそろ、お薬の時間ね。おうちに帰りましょ。」

(勇者が殺されたって、知ってる人がここにもいる。勇者って、なんだろう。なんで、わたしなんだろう。ほんとに、わたしなの?)


 町を離れ、城に入る。

 城内で(たたず)んでいた女性に、声をかける。

「あの。すみません」
「あら、可愛い旅人さんね。どうしたのかしら。」
「この国のお話を、聞いて回ってるの。」
「まあ。それじゃあ、そうねえ。勇者様の言い伝えは聞いたのかしら。」
「うん。邪悪なもの?地獄の帝王?を、倒すために、目覚めるんだって。」
「そう。それじゃあ、天女(てんにょ)のお話はどうかしら。」
「知らない」
「昔々、北の山奥に、天女が舞い降りたそうよ。」
「北の、山奥。てんにょって、なに?」
「天から、つまり空からやってきた、女性のことね。そして、木こりの若者と、恋に落ちて」
「木こりの。こいに落ちるって、なに?」
「あらあら。そうねえ、男の人と、女の人が、お互いに相手を好きになって、お付き合いしたり、結婚したりすることかしら。」
「けっこんって?」
「あらまあ。夫婦になることよ。あなたにも、お父さんとお母さんがいるでしょう?お父さんとお母さんが結婚して、あなたが生まれたのよ。」

(おとうさんとおかあさんは、本当の親じゃないって言ってた)

「そっか。わ
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