暁 〜小説投稿サイト〜
DQ4TS 導く光の物語(旧題:混沌に導かれし者たち) 一〜四章
四章 モンバーバラの兄弟
4-17オレたちの旅はこれからだ
[8]
前話
追手を警戒して変装し、老人から託された
乗船券
(
じょうせんけん
)
を使い、エンドール行きの船に乗る。
甲板に
佇
(
たたず
)
み、想いを巡らす。
果たせなかった、
仇討
(
かたきう
)
ち。
新たな、巨大な敵。
家族も同然に過ごした、父の弟子。
故郷を逃げだす、自分たち。
「……わかってたんだ。今の僕たちでは、勝てないことは。」
「ああ」
「だけど、オーリンさんを。犠牲にするつもりなんか、無かった。」
「そうと決まったわけじゃねえ」
「僕たちは」
「オレたちは、絶対に生き延びるんだ。親父の仇を討ち、オーリンの想いを果たすのは。オレたちしか、いねえんだ。」
「……そうだね。嫌な役目をやらせて、ごめん。」
「いいってことよ。お前は真面目だからな、こういうのはオレに任せときゃいいんだよ。ま、オーリンもしぶといからな。生きてりゃそのうち、会うこともあんだろ」
「そうだね」
「一回負けても、生き延びて最後に勝ちゃいいんだからな」
「そうだね。導かれ、やがて大きな力となる、か。」
「ああ、あれな。オレたちの旅はこれからだ、とか言ったか。なげえ
前座
(
ぜんざ
)
だな」
「そうだね。僕たちの旅は、これから始まるんだ。」
打ち
拉
(
ひし
)
がれた、兄弟の。
父を亡くした、
姉弟
(
きょうだい
)
の。
恋に破れた、若者の。
様々な人々の、様々な想いを乗せて、船は
往
(
ゆ
)
く。
まだ見ぬ国へ、まだ見ぬ
明
(
あ
)
日
(
す
)
へ。
彼らの旅は、これからだ。
[8]
前話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]
違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
しおりを解除
[7]
小説案内ページ
[0]
目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約
/
プライバシーポリシー
利用マニュアル
/
ヘルプ
/
ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ