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ALO:フェアリィ・ダンス〜両刃の剣と天駆ける龍〜
世界樹へ《1》 白い影
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鎌を握っている。その背中にある翅は……紫。

「インプ…」
「いつの間にここに…!」

 ティールが腰の両手剣を引き抜き、構える。

「よく鍛えられた武器だな…。あのティールって男、結構強いな」
「ええ。SAOのトッププレイヤーたちみたい…」

 するとその会話を小耳にはさんだのか、端っこにいたプレイヤーが言う。

「当然さ。ティールさんはシルフの中でも最強の剣士なんだ。領主のサクヤ様の親衛隊の隊長もしてるんだぞ」
「へぇ」

 次にセモンは鎌少女の方に視線を向けると、呟いた。

「あっちの鎌も…すげぇ鍛え上げられてるな。信じられねえくらいつやがある」
「……鍛え上げられた武器の証拠…みたいな?」
「ああ」


「……貴様、名は?」
「申し遅れました。私は《グリーヴィネスシャドウ》。本日は…そこの、お二方に御用があって参上いたしました」

 するとグリーヴィネスシャドウと名乗ったプレイヤーは、セモンとコハクに視線を向けた。

「へ?」
「私たち?」

「はい」

 白銀の鎌をもった少女は、セモンのすぐ近くまで来ると、セモンにしか聞こえないくらいの音量で呟いた。

「清文さん。私です。刹那です」
「!?……もしかして…刹那って、天宮刹那?」
「はい。お久しぶりです」

 少女が離れると、セモンがまるで雨天に太陽でも差し込んだかのように、一気にうれしそうな顔になる。

「そうか!お前…グリーヴィネスシャドウって…《グリヴィネ》か!!」
「はい。覚えていてくださったんですね。うれしいです」

 コハクが、置いてけぼりにされて怒りに染まった声で、

「セモン。この人、知り合い?」

 と、笑顔できくまで、セモンは騒ぎ続けた。


「ああ、コハクは知らないっけ。彼女は…陰斗の…シャノンの妹だよ」

 
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