13話
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て捲くし立てたグレイス。
いきなりそんな言葉を向けられたロイドたちは何を言ってるんだと怪訝そうにしているとアリオスから擁護の声が入る。
「彼らに関しても決め付けるのは感心しないな。子供たちを助けたのは彼らが最初だった。まあ、詰めが甘かったがな」
「ほら、やっぱり」
グレイスはロイドたちの活躍を聞いても結局アリオスに助けられたと判断したようだ。
「まあ、記事でいろいろ書くけどあんま気にしないでね。市民のために働くんだからお姉さんから、ひいてはタイムズからのエールってことでこれから頑張ってちょうだい。そしたらまた記事にするからさ」
調子良く冗談めかしてそれだけ言うとアリオスたちが子供たちを送っていくのについて行ってしまった。
4人だけ残されたロイドたちは無言のままですぐ横を見下ろせば見える大陸横断鉄道の線路を列車が走って行く音だけが響いた。
4人共通の感想は、きっと悪く書かれる、である。
「どうやら遊撃士に対する道化とかませ犬役に仕立てるつもりらしいな」
試験の最後にまた変なのがと全員が溜め息をつく。だが無言になってしまったことでエリィがロイドに判断を仰いだ。
「これからどうするの?」
「試験も終わったし警察本部に戻ろう。セルゲイ課長に子供たちのこととかアリオスさんのこととか報告しなくちゃならないし」
夕方のクロスベルは通勤している労働者の帰宅や夕飯の買い物客などで徐々に込み合っていく。
仕事終わりで繁華街が騒がしくなっていく時間だ。
警察本部に戻る途中、中央広場でホイッスルをピッピッと鳴らし手信号と声で時折通る導力車を誘導している女性警官がいる。
聞いた事のある声だなとその女性警官を見ると見知った顔だった。
「ケイト先輩じゃないですか?」
ロイドはちょうど導力車の流れが切れたのを見計らって話しかけた。
「あれ、ロイド君?久しぶりね」
「どういう知り合いよ?」
相手もこちらを覚えていてくれたようでボロボロのロイドにどうしたの?と会話していると後ろの三人にさっき会ったグレイスと同じぐらいの年の女性警官を紹介した。
ケイトは警察学校時代に現場の人間として座学や実技、現場の実情などを教えてくれている教官だった。
と言っても専任ではなく年数回学校に教えに来てくれていたという臨時講師だった。
「ロイド君は優秀だったからね。教え甲斐があったわ」
「俺もわかりやすくてお世話になりました」
よほど優秀な生徒だったから教えるほうも教えられるほうも覚えていたようだ。
三人は在学中に資格を取得した秀才というイメージだったロイドがそれだけじゃなく熱心な学生だったことを改めて認識した。
「ところで配属はどこなの?」
「特務支援課ってところな
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