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なりたくないけどチートな勇者
24*どいつもこいつもハイテンション
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れをゼノアはあろうことか、決闘で自分の力として使うように言ったのだ。

彼は自らを嫌悪した。
今まで本当のナルミの姿ではなく、ナルミが持つ望まない力しか見ていなかった自分を。
そして、それなのにナルミと友達面していた自分に対する怒りの感情が込み上げてきた。

「大丈夫ですよ。」

落胆する彼の肩に手を置いたのは、自らの間違いを気付かせてくれた妹である。

「先生は優しい方です。きちんと謝ったらきっと許してくれるはずです。」

彼女の言葉は優しく、何よりナルミを信じていた。

「そう…か。」

「はい。ではお兄様、もう行きましょう。もうはじまっているはずです。」

そう言ってゼノアの手を引くシルバ。
心からナルミを信頼しているシルバの姿を見てゼノアはこれからの自分の在り方を正さねばならないと心に固く誓った。

「あ、お兄様。さっきの先生の過去の話し、ご内密にお願いしますね。先生にも、私が言った事は言わないでください。」

「ああ、わかった。」

そして自分の妹が、ナルミにそこまで秘密を打ち明けられる程に信頼されていると思い、なんだか誇らしくなっていた。

まぁ、現実は犯罪による盗み聞きの情報なのだが…

知らぬが仏である。


**********☆


二人が中庭へと着いた時、そこには彼らの知っている中庭は無かった。

大地は粉砕されて土がめくれあがっていて、綺麗に整えられていたはずの草花は、乱雑に切り刻まれていた。

そして、その中心でなおも戦う戦士《かいぶつ》が二人。

「はぁ、はぁ、はぁ…こんの!」

ガキィィン!

「チィィ!ぬおりゃぁ!!」

ドゴォォン!!

速さで翻弄するナルミと力で捩伏せようとするガルク、その二人である。

ガルクは燃えるように真っ赤な鎧を着ている
フルフェイスの兜で顔は全く見えないが、それでも威圧感はたっぷり伝わってくる。
これは彼が昔使って数多の戦地を乗り越えてきた鎧である。

対してナルミは、不思議な作りの上着の下に見た事も無い魔法陣の書かれた服を着ている。
下は鮮やかな藍色の見事な生地で仕立てられたズボンを穿いている。
どれも見る目がある者が見れば、特別な加護のある装備だろうと一目でわかる代物だ。

「……お母様、これはいったいどうなって…」

数秒の間呆然としていたシルバたが、なんとか覚醒して近くにいたリリスに状況の説明を求める。
同時に復活したゼノアもその答えを聞こうと近寄ってきた。

「あらあら、遅かったわね。そうね、どう、と言われてもこうなっているとしか言えないわね。とりあえず、始まって5分たったころにはもうこんな感じになってたわ。」

ガルクがあんなに苦戦する所も初めてみるわ、
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