暁 〜小説投稿サイト〜
なりたくないけどチートな勇者
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分の庶民的な口に入るのを拒否してもなんら不思議では無いくらいに上品だ。
自分はこのお料理様を食べるにあたいする人間だろうか。

ぱっと見はホタテの貝柱にソースとか色々付いてるだけだが、なんか高級なオーラが出てる。
多分、皿と芸術的なソースのせいだろう。

しばし自分はみんなにそれが配られているのを見ながら私案していると、後ろから

「ムリヌとポピーヌのカムシルでございます。」

と、運んできたメイドさんが料理名をいってきた。

ごめん、何いってるか全くわかんない。

ムリヌとかポピーヌって何?
それでカムシルって料理をつくったのはわかるが、そのカムシルすら自分にはわからない。
見た目はでかめのホタテの貝柱だから、さらに謎は深まるばかりである。

「………いただきます。」

とりあえず、食べてみる。
ナイフとフォークは普通にあるからそこは安心だが、何せ相手はカムシルだ。
ぶっちゃけ謎の料理に挑むのはかなりの勇気が必要である。

そしてホタテにナイフを入れると、中から緑の汁がでてきた。

………

はっ!
一瞬思考が停止していた!

周りを見ると、ゼノア達も皆美味しく汁ごといただいているごようす。
とりあえず、食べれるっぽいので意を決して一口パクリ。

………

「………旨い。」

なんか、トマトにホワイトソースかけたような味がする。
普通に旨い。

ただ見た目と食感がホタテなのはいかがなものか。

「気に入っていただけたかな?」

自分が軽く感動していると、ガルクさんが話しかけてきた。

「はい、自分の国には無い料理ですが、とても美味しいです。」

それに素直に答える自分。
すると嬉しそうに顔を綻ばせるガルクさん。

「それはよかった。家の調理師達も喜ぶだろう。」

やっぱりいい人じゃん、この人。
ゼノアは何を緊張してたんだ?

そしてしばらく、他愛も無い話しをしながらタヌイのガーガルとかリュハとブセムのユユユとかの変な名前の料理を美味しく頂いた。
名前(見た目も多少)は変だが、どれも美味しい料理だった。

そして、ゼノアやシルバちゃんについての話しをしながら、ギムシのアウリとか言う真っ白いガンモドキみたいなのを食べていた。
実はガルクさんも結構な親バカだというのが判明した。

そして話しに一段落ついたところで、ガルクさんがこう自分に聞いてきた。

「ところでナルミ君は、現在の魔王様の様子をみてどう思いますかな?」

ん?
あぁ、あの人。

「優しいのはいいですが、甘いところがありますね。」

「ほう…どんなところが?」

「なんと言うか…全体的に。それを王妃様がなんとか補っているというか、主導権は王妃様にあります
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