過去と異世界
魔物の正体
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はしれっと答える。
「あぁ、昔はそこそこ腕の立つ傭兵をしてたよ。それが何か?」
と、それを聞いたサンソンが無言で剣を投げてきた。音を立ててグランシェの足元に転がる剣。
「一度俺と手合わせしてくれないか。もちろん、公式や神器は抜きだ」
物騒なお願いだがグランシェは満面の笑み。
「良いねぇ、望むところだ」
しかしグランシェは剣をサンソンに返した。
「俺にはこのマンゴーシュが有る」
そう言ってグランシェはポケットからマンゴーシュを取り出す。刃渡りが45cm程の短剣だ。確かあのマンゴーシュはグランシェのお気に入りで、俺がヤツと出会った頃から使い続けてる。どうやら特注品らしく、普通は刃渡り30cm程までしかないマンゴーシュだが実践でメインの武器として使う為に長くしてあるらしい。
更には見えないくらい小さな凹凸が刃に刻まれていて、それが切れ味を格段に増しているとの事。なぜそこまでマンゴーシュにこだわるのかは知らんが、結構な一品だという事は俺にも分かった。
「さぁ、勝負だ」
グランシェはやる気満々で言った。が、サンソンは怪訝そうに顔をしかめる。
「そりゃあ短剣じゃないか。リーチが違い過ぎるが、良いのか?」
確かにサンソンの言う通り、彼の使うロングソードはザッと1m近い長さ。彼の身長は175cmといった感じなので、腕と合わせて1.5mくらいのリーチはあるだろう。
対してグランシェは体格では勝るもののリーチはザッと1mがそこそこ。がたいの良さは攻撃の当たりやすさを意味しているし、50cmもの間合いの差は一歩踏み込むだけの差を持っているのでグランシェが圧倒的に不利なのは流石に素人の俺だって分かる。
しかし、グランシェは俺の創造を遥かに超えた発言をさらりと言い放つ。
「気にするな。俺に1対1の近接戦でリーチは関係無い」
カ……カッコイイ!! 何なんだよお前その発言は!
しかも今回は特にドヤ顔をしていないという点が特にカッコイイ。
と、その時服の裾が引っ張られるのを感じた。レベッカだ。
「あのぉ〜、グランシェさん大丈夫なんですか?」
「まぁ、大丈夫だろ」
軽く答えた。あのマンゴーシュにはまだまだ俺の知らない秘密が隠されているらしい。細かいところは知らないが、敵の攻撃を受け、弾き、切る。剣と盾の両方の使い方ができるとのこと。
「大丈夫だ、グランシェはたぶんあのサンソンって人より素の力は強い」
「でもサンソンさんは一番……」
「行くぞ!!」
レベッカは何かを言いかけていたが、とうとう二人の試合が始まったみたいだ。
まず剣を構えて走るのはサンソン。グランシェは動かずに迎え撃つつもりらしい。
「でやぁっ!!」
サン
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