第四十三話
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や王に出向いてもらえるかどうか。
様々な状況を考えた打ち合せを行ってはみたものの、想定外の事態は必ず出て来るであろうから、一喜一憂せず常に冷静に心を保つこと、これが大切だろう。
マーファ城より南の漁港に停泊した俺たちは繋留の許可願いを漁港の管理者に願い出た。
ここでさっそく滞在許可や各地の施設での便宜を計るようにとしたためられたバトゥ王からの書状が威力を発揮し、適正な対価を払いはしたものの繋留許可を得られた。
船員達はこの時とばかりに、船底や側面に張り付いた貝を削ぎ落し、痛んだ船具を修理したり交換したりなど、航海を続けている間にはやりにくい仕事を片づけていった。
マーファ城に付随する集落は予想よりも大きく、ひいき目で見れば街と呼んで差し支えは無いほどだった。
俺がアタリを付けているのは街の市場で薬草などを売っているだろう店だ。
原作でディアドラは外の世界の人との交わりを断つよう言われて、それを守る姿勢を持っていたにも関わらずシグルドさんがマーファ城を制圧した際に城下に現れる。
精霊の森で人目を避けて暮らすにしても生活必需品を全て自給自足するなど可能であろうか?
これは単なる予想に過ぎないが、定期的に物資の補給くらいの関わりを持っていたのではないだろうか?
そうなると彼女が提供できそうな品を考えると薬草あたりは可能性があるのでは無いかと踏んでいる。
俺にとっても薬草は嫌いでは無い分野だし、彼女が詳しいならいっそ教えを乞いたいくらいだ。
外れたら外れたで精霊の森に立ち入って探すと言うだけであるし……
そういえば薬草は売っている者だけでなく使っている医者に直接売り込んでいる場合もあるだろうからそのルートでの捜索も選択枝に入れたほうがいいかもしれない。
なんにせよ、まずは滞在の名目を果たす為にも街の有力者と繋がりを作っておくにしくはない。
街の有力者には長老が三人居り、彼らに付け届けを行った。
タダで物をもらえるのは裏に何か事情が……と勘繰りでもしなければ嬉しいもので、こちらの好意や誠意を示すには人の営みの中では普遍的な価値ある行動だろう。
バトゥ王の書状も示し、彼らにエッダ教の礼拝所建立の許可という面から話題を切り出した。
「そういえば、精霊の森の巫女さまからも許可をいただいたほうが良いと思うのですが、長老様達は何かご存じありませんか? 巫女さまということはこの辺りの土着の神さまを祭っておられるでしょうし」
「ふーむ、我らもよくわからんというか精霊の森の隠れ里の者とは関わらないようにと言い伝えがあってのぅ。 商いくらいなら構わんと思っておるが、月に一度か二度訪れるようじゃし、見かけたらお知らせいたそう。もっとも知らせた時には既に用を済ませて立ち去っておるかもしれんがのぅ」
髭を扱いて長老がそう言
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