暁 〜小説投稿サイト〜
SAO─戦士達の物語
GGO編
百十五話 殺人鬼、再来
[4/8]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
ュンヒュンヒュンッ!!と甲高い音を立てて、死銃の刺剣が銀色の軌跡を描き、三連続でアイリの体を貫かんと迫る。それを構えた剣の尖端とステップを使用することで弾き防御と共に回避し、恐らくは何かしらの連続技だったのだろうその動作が終わったタイミングでアイリは再び横一閃に剣を振りきる。が、ここはSAOでは無い。故にシステムによる硬直時間の無いザザは、アイリが行動するよりも早くバックステップで彼女から遠ざかっていた。
空を切った斬撃はしかし元来距離を取る事を予期していたアイリは動作をコンパクトな物にまとめており、其処まで隙にはならない。が、とはいってもそれは余裕となるほどの利点では無く……

「ふっ……!」
「っ……!」
構えなおしたアイリの元へ、息つく暇も無く迫った再びの連続突きを、アイリは剣の腹で反らし、回避しの必死の対抗策で防ぐ。
右肩を狙った一撃をそのまま体の外側に、胸を狙った一撃は剣先で跳ね上げ、足を狙った一撃を叩き落とす。しかし引いては突きを超高速で行い、驚くほどになめらかな動きで突き込んでくるその連続技が八撃目に達した所でついにパリィと回避が追いつかなくなり……

「くっぁ……!」
大きく踏み込んで突き出されたエストックが、右腹部に深々と突き刺さり、思わずアイリはうめいた。
スカルマスクの奥でザザが歪んだ笑みを浮かべる気配と共に、マスクを睨みつけるアイリを正面から見返してくる。

「ク、ク……どうした、女。さっきまでの威勢が、無いな」
「っく……うぁ……!」
切れ切れの言葉と共に、ザザはエストックを左右に捻り、海外発信のゲームであるためにレベルを低く設定されているペインアブソーバによる強めの不快感が、アイリの腹部を掻きまわす。

「うる……さいっ!!」
「ふん……」
叫ぶように思い切り振りきった刃はしかし、ザザが大きくバックステップする事によって避けられた。その際にエストックが乱暴に引き抜かれ、少し声が漏れかけたが歯を食いしばって耐える。

「ク、ク、ク……必死、だな。もっとも、あれだけ、大口を叩いて、すぐに死ねば、面目も、立たない、だろうが……それに、本来の、目的も、あるか……」
「え……?」
妙な言い回しに、思わず聞き返すと、ザザは相も変わらぬシュウシュウと言う笑い声を洩らす。

「誤魔化そうと、するな。お前は、どんなに、自分を、偽ろうと、結局は、一つの事の為に、剣を振っている。俺達に、復讐したい、だけの、話だろう……?」
「っ……」
「信じるだ、なんだと、自分を偽る事は、出来ても、俺達は、知って居るぞ。お前は、今までに、俺達に、自分から挑んだ奴と、同じだ。親しい女を、殺された、恨みと、憎しみで、復讐の為に、剣を、振るう、復讐者だ」
嘲笑うようなその言葉を、アイリは黙って聞いて居た。同時に自分の中で
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2025 肥前のポチ