GGO編
百十五話 殺人鬼、再来
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。そもそも、初めからそうだったのだ。狙撃手の貴重な第一射をわざわざ武器破壊に使ったり、ザザと戦って居た時とて、やろうと思えば何時でもリョウやアイリの頭部に鉛玉をぶち込めたくせに、そうしなかった。
“誘っている”のだ。明らかに自分の事を。
こっちに来い。邪魔無しであの時の続きをやろうと、手招きしながらわざわざ自分の方に来るように呼んでいる。
「ったく……」
小さく呟く。それを待って居たかのように、視界の向こうで趣味の悪い黒いフード付きの夜間迷彩のコートを来た男が、ゆらりと立ち上がった。
走る速度は緩めない。腰から二本のコンバットナイフを引き抜き、そのまま一気に人影へと接近する。人影はゆらりとした動作で懐からリョウの物と比べても少々肉厚で長めのボウイナイフを取り出す。
しかしそれもこれも、リョウは全て無視する。一気に男との距離を詰めていき、男はゆっくりとナイフを持ち上げる。
まるでそれと同調するかのように、二人の男の口角も、ゆっくりと上がり、やがて二人は互いの笑みをその顔に浮かべる。
どこか楽しげで、どこか嬉しげで……同時に何処か、人の心を凍り付かせるような恐ろしさを秘めた、そんな笑顔を。
「ッ疾ィ!」
「ッハァ!」
互いに振りかざした
ナイフが、オレンジ色な火花を散らしながら空中で弾けた。二人の男の顔が、至近距離で突き付け合わされる。
「Yeah! Hey broski!久しぶりだなァ……」
「あぁ、久しぶりだ。また会えて最っ高に嬉しいぜェ……Pooooooooooooh!!!!!」
ぶつかり合う鉄の音を通して、二人の男が叫びあった。
言うと同時に、リョウが思い切り力を込め、耐える間もなくPohは弾き飛ばされる。というより、自ら後ろに飛んだのだが。
追撃とばかりにリョウは一息に距離を詰めると、右手のナイフを逆手持ちに腕ごと振り下ろす。
「あらよっ!」
「Haッ!」
Pohそれを右手のボウイナイフの腹で軽く受け流すと、その腕をそのまま左肩に向かって引き……
「Eat it!(くらいな!)」
「っと!」
ヒュンッ!と高い音を立てて突き出してきたそれを左手に持ったナイフで弾き上げると……
「てめぇがなっ!」
「!」
右半身を軽く引いて、其処から一気に横っ腹狙いに蹴りを打ち出す。それを大きく下がって避けたPohは、笑いながら言った。
「Wowwowwow……あい変わらずナイフでも良い戦い方するじゃねェか」
口を開いたPohの言葉には張りが有り、相も変わらず腹立つくらいの美声だ。声や話し方に関しては基本的にPohの右に出る者はSAOの中にも居なかった、そしてこの話し方に乗せられたものや誑かされた者、恐怖した者たちは一部を除いて皆、殺す
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