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ソードアートオンライン 無邪気な暗殺者──Innocent Assassin──
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〜絶望と悲哀の小夜曲〜
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ウインドウを素早く操作する。
それと同時に、レンのようなモノの上空にヴォルティスを縛る鎖と同じものが何百本も現れる。
しかし、落ちてきたそれらはレンの体に触れると同時に蒸発した。
「……なぜだ…………」
空中に溶け行く鎖の残滓を呆然と見た茅場が、ポツリとそう漏らす。
「なぜそうまでして私の邪魔をする………。小日向相馬アアアアアアアアァァァァッッ!!!」
その名を聞いても、レンだったモノは小揺るぎともしなかった。ただ一言、短い《言葉》を吐く。
『h;h.圧f.n:]zf死/l,a.』
途端、茅場のいる座標の上空に一片十メートルはあろうかと言う鋼鉄製の直方体が現れた。紅衣の聖騎士は咄嗟に巨剣を振るうが、あまりにもそれはでかすぎた。
床と直方体の間に挟まった茅場は、当然の結果として圧死した。
体中の穴と言う穴から、内臓や骨が飛び出た。キリトの足元に転がってきた、ピンポン球を一回り小さくしたくらいの球状の物体があった。
眼球だった。
「…………………──────ッ!!」
込み上げて来る吐き気と戦いながら、キリトは腕の中のアスナが気を失うのを感じた。ある意味、それが一番いい対処法だったかもしれない。
『h:s溺;\df死ps,』
再びの声。だが、茅場のHPはもう確実に消し飛んでいるはず。
そう思ってキリトは吐き気を堪えながら、顔を上げる。そして、ソレに気付く。
茅場のHPバーが減少していない。
いやそれどころか、HPは最大値から数ドットさえも動いてはいないのだ。
つまり、これだけの惨状の中で、茅場はいまだに生きている。
そして、ぐずぐずになった肉片は瞬時に寄せ集まってもとの茅場晶彦という名の人間の形を作り上げていた。そもそもの原因だった、鋼鉄の直方体もいつの間にか消えうせている。
「げ……ぇあ………ッ!」
痛覚は立派に機能していたようで、苦悶の声を上げている。
そんな彼の周囲に、たぽんと言う軽い音とともに直径三メートルほどの水の玉が出現した。
始めは戸惑いがちに漂っていた茅場だったが、やがてその表情は苦しみへと変わり、ノドを押さえて金魚のように口を開閉させる。が、しばらくすると力尽きたようにだらりと四肢を宙に投げ出した。
だが、それでも。
それでも彼のHPは減らない。
『窒sl,息:;jf死@f』
空へと溶け消えた水球に変わるように、今度は無数のワイヤーが現れた。
レンの使うような軍用の細いワイヤーではない。本来の目的のために使うような、重いものでも楽々縛れるような太くて頑丈なヤツだ。
そしてそれらは、咳き込みながら立ち上がろうとしていた茅場の首に、さながら蛇のように巻きついて宙に吊るす。
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