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SAO編−白百合の刃−
SAO37-六人のユニークスキル使い
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悪いけど私から見てもあんたは怒りっぽいよ。

「こんなバカに私は好かれたくないわ」
「なんだとオラ!!」
「まぁまぁ、落ち着きなさいって」

 狙撃者が(なだ)めてくれたが、どこが面白そうに見物して、まるでハブとマングースのショーを観賞しているかのように楽しんでいた。
 普通なら空気が悪くなるに決まっている。赤の戦士は怒っているし、ポニテの大和撫子は容赦なく煽っている。でも思いのほか気まずい感じにはならないのはなんでだろう……。狙撃者がそういう風に言葉で少しでも変えているのかな? つか、そんなことができるのか?

「あたし達の名前を教えたから、今度は貴女の番よ。名前を言ってくれないかしら?
「漆黒」
「漆黒?」

 私はその言葉に何かが引っ掛かった。多分他のみんなも同じ気持ちだ。

「漆黒って……あの漆黒でいいのかしら?」
「さぁ? 私はそう名乗った覚えはないわ」

 狙撃者の問いかけに漆黒というプレイヤーは軽くあしらう。でも、狙撃者を見る限り、ほぼ特定しているようにも見えた。顔に迷いがなく余裕がある。
 もしかしたら私の知っている“漆黒”は、今ここにいる“漆黒”と同じなのかもしれない。

「えっと……その……漆黒さんは、KoBに裏切ったって言うのは本当なのですか?」

 小さくビクビク怯えながら口にする鋼の騎士に対して、漆黒は淡々と口にした。やっぱりみんなが思っている漆黒はKoB、血聖騎士団に所属している彼女のことだ。
 鋼の騎士の問いかけに、漆黒は否定することなく口にする。

「抜けただけよ」
「噂つけオラ! 脱退しただけなのになんで裏切り者って呼ばれるんだよ!」

 赤の戦士の言うことはもっともだった。普通に一つのギルトを抜けただけで裏切り者になるのだろうか? 少なくとも私だったら裏切り者とは呼ばない……気がする。
 それを今ここで訊いてもいいんだろうか。誰にでも触れられたくない過去、踏み込んで欲しくない領域があるはずだ。漆黒も何かを抱えているのなら……。

「漆黒、今言ったことは本当?」

 私はこれ以上なにも聞かないことにしようとしていた矢先に、狙撃者は普通に漆黒を訊ねた。

「嘘つく意味あるの?」
「あるじゃない。自分の弱さを隠すために、嘘とかね……」

 片目を閉じ、手フレームを作って漆黒を覗かす狙撃者。カメラのように写し出そうと言うのか? 外見ではなくて、漆黒の心を……。

「別にどうだっていいよ。こいつが裏切り者か裏切り者じゃないかだなんて、さっさとボーナスゲームクリアするぞ」」

 敵視している赤の戦士が発言したことによって、漆黒が血聖騎士団を裏切った話は不思議と広がらずに終わった。多分、エックスはもうそれ以上訊く気はなければ興味ないのと、私も鋼の
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