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【完結】剣製の魔法少女戦記
第三章 聖杯大戦編
第七十二話    『ランサーの覚悟の戦い』
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ださい、ディルムッド様!
私がそう願いを込めるがそれでディルムッド様はしばし迷いの表情をした後、目を瞑って瞑想する。
そして再び目を開くと優しい笑みを浮かべて、

「…マスターよ。あなたとの願いは全うできそうにありません。ですから俺はあなたに最期の言葉を残します。聞いてくださいますか…?」

ディルムッド様が私にかける最後の言葉…? 一体、なに?
でもそれで私は一度頷く。
それでディルムッド様は笑みを浮かべて喋りだす。

「マスター、あなたはまだまともな道に引き返し戻れる事ができる…。なに、才能がないからと悲観することはありません。
あなたはまだ生きているのです。生きているうちは何度でも這い上がることはできます…。
だから決して諦めてはなりません。諦めたらそこであなたの道は終わってしまいます。
ですから心を強く…。心の芯が強くある人であってください。
そして、この先をまっすぐに生きていってほしい…これが俺があなたに贈る最後の言葉です」
「ディルムッド様…はい、わかりました。ミゼはもう諦めません。また頑張ります…」
「よかった…。ではもうお別れですね、さらばです…」
「はい…! ディルムッド様…! さようなら…!」

私はディルムッド様と最後のお別れの言葉を言う。
もっと話したいことがあった。でも、これ以上彼を迷わせてはいけないと思ったから。だからもういいんだ。
涙が流れて心が痛むけど、でもこれを糧にまた再出発しよう。
そしてディルムッド様は粒子になっていく体を無理して敵だった子達の方へと向ける。

「そしてクー・フーリン殿…あなたとの全力での心躍るような死闘、実に楽しかった…」
「俺もだぜ…! これでこそ俺の本望ともいうべき戦いだった。感謝するぜ!」
「そして、アーサー王…あの時はお前にも怨嗟の言葉を浴びせてしまったが、あれは今考えればお前のせいではない。…あれは、仕方のなかったことなんだ…。だからお前を許そう…」
「…感謝します、ディルムッド・オディナ。そして、見事な戦いでした。まさに騎士の誉れです」
「ふっ…その言葉だけで俺はもう満足だ。心残りはない…」

なにか私には分からないやりとりをしていたけどきっと大事な事なのだろう。
いつか聞く機会はある。だから私は最後まで聞き届けよう。
そしてサラサラとディルムッド様の体はもう下半身は完全に消え失せて残りは胸上だけの状態にまでなって最後とばかりに大声を張り上げて、

「今回は実に楽しい戦だった! マスターへの忠義も貫けた! 悔いはない! さらばだ!!」

最後まで爽やかな笑みを浮かべたディルムッド様はそして完全に消滅してしまった。
それを私は目をそらさず最後まで見届けて…もう我慢の限界だったのだろう私は涙を流しながら地面に両膝をついた…
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