第四十二話
[4/4]
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
ッドを執拗に狙った真相はそこにあった。
他に何軒か見回り、先程料理を頼んだ店に戻ったころには若干冷まって、じんわり温かい揚げ魚が出来あがっていた。
予想に比べて量が多すぎたので木の板に海藻を敷いてもらい、その上に載せた揚げ魚を船に持って帰って船の見張りや副長、それにクロード神父などの上陸していないメンバーとで分けていただいた。
ずっと女っ気の無い航海を続けた後だけにヴォルツに譲った女の人に後ろ髪を引かれる思いが無くも無いが、この場には居ない彼女達(レイミア、シルヴィア……そしてあいつ)を裏切るような、そんな真似などできようものか。
翌日、俺とクロード神父、護衛リーダーにベオウルフ、船のほうは副長とヴォルツに任せて港の役所を訪問し滞在許可を得ると港からはやや離れた王都へと向かった。
むしろ港町のほうが華やかと言えるくらいのヴェルダンの王都であり、王宮の役人に用向きや付け届け、そして神父様からの親書を手渡すと他の謁見希望者と共にじっと待つことになった。
俺たちは明日にまた来るよう言われ、整理券代わりの割札を渡されて夕暮れの中、港町へと戻った。
さらに翌日、今日は会えるだろうということで船倉に積んできた心ばかりの貢物を携えて簡素な王宮を訪れるとすぐに会見が行われ、俺は神父様とバトゥ王のやりとりを見守るだけであった。
こちらの願いを快く聞き入れてくれて、国内での行動の自由を保障する書状を後日発行してくれる事になり、むしろこちらの名目であるエッダ教の布教活動を歓迎してくれて、マーファ城へ向かう為の水先案内人も用意してくれると言うことだ。
サンディマなどロプト教への警告は出国前にと決めてあったが、それとなく会談の中で、昔俺が暗殺者に狙われた時は緑の衣を着たロプトの司祭に襲われたと語っておいた。
名前については語らないでおいたが、出国前に伝えておけばいいだろう。
これだけ物事がすんなり行くのはありがたくもあり、不安も感じてしまう。
なんにせよ、ディアドラの発見と説得という大きな課題があるのだからここまで順調であっても先行きが明るいとは思わないでおこう……
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ