暁 〜小説投稿サイト〜
なりたくないけどチートな勇者
20*厨二がデフォルト
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せかされ、とりあえずこの熱い漢たちはスルーしながら固まったプリンの入った容器をみんなの前に持ってった。

そして自分も一個とり。

「まぁとりあえず毒味。」

一応薬(らしい)が入ってるので、安心させるために一個をペロリと平らげた。

うん、うまし。

「大丈夫そうか?」

「ん、問題無い。大丈夫大丈夫。」

「そうか。では」

そう言ってエリザが食べる。
次いで皆も一緒にたべる。

そして

「…………ナルミ。」

「ん?」

「お前本職は調理師か?」

「いやそれは無い、本職は高校生。」

何を言い出すこのムスメ。

すると今まで黙ってた近衛隊の方々も

「ですけどこれ!なんですか!」

「こんな蕩けるような甘さ初めてですよ!?」

「口触りも滑らかで…人間なら誰もが作れるんですか!?」

上からテトラ君、シルバちゃん、ミミリィ隊長である。
この好評価なら多めに作ったのもすぐ無くなるかな。

てかなんか、こーやって人間のイメージが段々変についていくんだな。

と、自分が少し困っていると。

「ハセガワナルミ様。」

「のうわっ!!」

上から忍者……ではなくツナギ姿のポニテな女性が降ってきた。

「魔王様が御呼びです。褒美についての話しを聞くと。魔王様の私室、謁見の間の左の部屋になります、そこへ。」

「あ、あぁそう、うん、行くすぐ行く。」

いまだにバクバク言ってる心臓を心配しつつ、自分は足早に厨房を後にした。

しかし、これが間違いだった。

厨房へ彼女を置いていった事を自分は激しく後悔する事になるのである。



**********ズ☆


「えーっと……失礼します。」

自分は異常にでっかい扉から二十メートルは離れた場所にある非常にでっかい扉をくぐり、なるたけ失礼のないよう入室した。

「硬くならなくていい、楽にしてくれ。」

「そうですよ、“英雄”さん。」

するとそこには何時もと違い、気のいい熟年夫婦がそこにいた。

「一応この場には私達しかいませんのでご安心を。でもさすがに近衛隊はいくつか隠れていますのでそこは許して下さいね。」

あなたを呼びに行ったのも近衛隊の子なのよ、と最初のような試す視線ではなく柔らかい視線を投げかける王妃様。
なんか印象かわったかも。

「では、早速だが君の要求を聞いてもいいかね?」

しばらくやんわりと和んだ空気を味わってた自分に切り出したのは王様である。

なので自分も単刀直入に答える事にした。

「実は自分、長い休暇が欲しいのです。」

すると二人の頭にハテナが浮かんだ。
そりゃそーだ、金や地位ではなく休暇、つまり休みを要求し
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