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Dies irae~Apocalypsis serpens~(旧:影は黄金の腹心で水銀の親友)
第二十八話 Die d?mmsten Bauern ernten die dicksten Kartoffeln.
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ム。竹馬などと皮肉られたが、それの対策すら出来ていない二人に対してヴィルヘルムは若干気落ちし始めていた。

「なあ、テメエ等待ってやったってのにその程度なのかァ?あん時みてえに少しは俺を満足させろよ。絶頂さしてみろよ。じゃねえと―――何も出来ねえままに死んじまうぞォォオオォォォォッ!!!」

「うわっと、まだまだ……やれるに決まってるだろ」

「オーケー、だったらテメエが満足しておっ死ぬまでやってやろうじゃねえか」

ジャラリ、司狼は鎖だけでなく針や石版、車輪、桎梏、短刀、糸鋸、毒液、椅子、漏斗、螺子、仮面、ほかにも様々な拷問具が取り出す。武器兼鎧の捨て身の連撃。これも前回の焼き直しに等しいが今回は互いに相違点が存在する。

「じゃあそこまで分が悪くもなさそうだし、俺も試してみようかな」

そう言って造り出されるのは彼が使い古した記憶のある小火器の類。それは銃だけでなくグレネードや地雷、手榴弾、単純に火薬の類も用意されていた。

「クハッ、ハハハ、カハハハ、ハハハハハハハハハハッ――――オイオイ、またそれをやり直すってのかァ?良いぜェ、つまんねえ戦い方されるよりは百倍ましだ。正面から潰してやるから来なァ」

「行くぜェ!!」

二人の連撃は互いの隙を埋め合わせるような布陣で展開される。ティトゥスの機銃が飛び交う中で毒液が撒布され、司狼が石版を宛がえばそれを突破した先に爆発物を待機させる。その状況は見た目の上では拮抗しているかのように見えた。
躱し、防ぎ、放ち、潰し、穿ち、切り裂く。ヴィルヘルムはこれを余裕を持って繰り返しているだけに過ぎない。拮抗しているということは賭けにでた司狼達にとって圧倒的に不利であることに他ならないのだ。
拮抗とは互いが打ち消しあっていることに他ならない。それは即ちヴィルヘルムは何時までもこの連撃に耐えることが出来るということである。しかし、司狼達は違う。
司狼の武器は壊されればフィードバックを受ける。つまりは負担が掛かり続けることなる以上、永続的な使用は不可能であり、ティトゥスもまた人器融合型である以上、同様に負荷が掛かり続けるのだ。
よってこの戦いは長引きば長引くほど司狼等にとって不利になることは変わりない。ヴィルヘルムから攻めることはしないが、攻勢が止めばその時点で司狼達の敗北であることに違いは無い。

《ちょっと司狼、こりゃ流石に不味いんじゃない?》

「心配すんなよ恵梨依。まだまだやれるって」

「というか死にそうになったら主導権奪っちゃえばいいじゃない?」

《それだ!》

「それだ、じゃねえだろ」

心配した様子のない恵梨依の声を聞きながら、根拠のない自信をもって司狼はそう言い、ティトゥスはそれを茶化し、三人は軽口を叩き合う。こうも余裕を保てるのは思想そ
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