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ファイアーエムブレム〜ユグドラル動乱時代に転生〜
第四十一話
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 指定された場所は港の倉庫の一つで人目につきにくい一角だった他は特に変わった特徴も無かった。
往来する荷運び人夫や荷車、港につきもののカモメにしろ平和な光景に安心する。
レイミアに頼んで護衛を付けてはもらったが、会いに行った俺とエーディンさん、それに約束通りの立ちあい人の司祭様は皆丸腰で、護衛の剣士達と倉庫の中に危険が無いかを調べたが危険物や潜んでいる刺客も居なかったので
いったん護衛には倉庫から出てもらい倉庫周りの警護をお願いすることにした。
倉庫の中には椅子だのテーブルなんてものはもちろん無いものだから、手近な木箱に俺はマントを外すと敷いて、お二人に掛けてもらった。

「ミュアハ様もお掛けになればよろしいのに」
そんなふうにエーディンさんから申し出はあったものの、俺は倉庫の入り口で相手の到着を待つことにしながら倉庫通りの様子を窺い、不測の事態が起きてもなるべく早く察知できるよう務めた。
警護の剣士からかけられた声でヴェルリーの到着を知ったが、やってきたのは彼一人だったものだから話が違うと思い問いただすと、アジトのほうに来てほしいという話になった。

「こちらは丸腰なのだし、そんな警戒しなくともよろしいでしょう?」
すこし言い方がきつくなってしまったのは少しでも早く姉妹を引き合わせたいという俺の焦りが出たのかもしれない。
恐縮する彼には落ち度は無いわけで、こちらも態度を謝った。
お二人の方は了承してくれたので、護衛に着いてくれた剣士三人の内一人にはレイミア隊のアジトへ報告に戻ってもらい、俺たちはヴェルリーの案内で倉庫通りを進んで行くと……




 行く手を遮るように前方の通路に五人、後ろを振り返ると三人の人影が迫って来た。
こちらが気づくとそれぞれ思い思いの武器を身構え、近づく速度を上げてきた。
被ったフードが揺れ、剣呑な視線がこちらのそれと合う。
俺はヴェルリーに目線をやると、彼は首を横に振った。
彼の下げている小剣を引き抜き一言

「借りるぞ……」
相対する連中は素人では無さそうだが手練とまでは行かないだろう。

「司祭さまとエーディンさんを守ってくれ!」
俺は護衛の剣士にそう告げると、前方の五人へ突進した。
……せっかく人数を揃えたなら、飛び道具の一つでも用意すればいいものを!
俺は通りの脇に無造作に積まれた樽を敵側に転がし、立て掛けられた海藻干しの竿や垂る木を次々と引き倒して
一気に囲まれないよう手を打ち、裂帛の気合いを入れると一番前方に居た敵を一合で斬り捨てた。
返す刃でそのすぐ後ろの敵の手首を切り落とすと、前方に強く踏み出し喉を貫く。
骨に喰い込み、容易く抜けなくなった小剣を手放すと、切り落とされた手首が握った剣を拾いあげ、その後ろに迫った敵が振り下ろした剣を受け止めた。

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