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剣の丘に花は咲く 
第七章 銀の降臨祭
幕間 傷跡 弍
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 ……だから……しんぱいになるんだ……しろうはとてもつよいけど……こんなによわいから……


 だれかがいっしょにいないと……いけないんだ……


 それが……わたしだったらよかったんだけど……もう……むり……みたい……


 ちからが……ぬけてく……からだから……ねつがきえてく……とても……さむい……


 ああ……かなしい……なぁ……


 つらい……なぁ……


 さびしい……なぁ……


 いや……だ……なぁ……


 ……なにも……かえせなかった……な……


 ごめん……ね…… 




「……俺は……俺は……何も……何も出来なかったッ!! また……また助けられなかったッ!!」



 ……なに……いってる……の……?



「何が『正義の味方』だッ!! 何が全てを救うだッ!! 結局俺は……救えなかったッ!!」



 ……すくって……くれたよ……しろう……は……



「自分勝手な考えで!! 俺が……俺が殺したッ!!」


 ちがうよ……ちがうよ……


「こんなに近くにいた人さえッ救えないッ!!!」


 しろうは……


「俺はッ!! ッ?!」


 しろうは……ッ


「……すくって……くれ……たよ」

「ひ、さ……う」

「しろ、う……は……わた、し……を……す、くって……くれ……た」

「喋るなッ!! 今すぐ治療をっ!!」

「だ、か……ら…………しろ、うは…………きっ、と…………」



 死んでいると思っていた『私』を、士郎は救ってくれた。


 あの地獄で死んでしまった筈の『私』を、士郎はたった一月で救ってくれた。


 そんなこと士郎以外に出来る筈がない。


 だから……。


 ねえ、士郎。


 誰よりも優しくて。



 誰よりも厳しくて。



 誰よりも弱くて。



 誰よりも強くて。   



 誰よりも愚かで……馬鹿な……




 たった一人の『正義の味方』



 そんなあなただから……何時か……きっと……絶対に……なれるよ……




「なれる、よ…………ぜん、ぶ……す、く、える……せいぎ……の……みか……た……に…………」





 ……ぜんぶ救える正義の味方に。



































 小高い丘の上。



 眼下には朝日に照らされた眼下に広がる美しき草原。

 
 そして……。



 草原
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