暁 〜小説投稿サイト〜
剣の丘に花は咲く 
第七章 銀の降臨祭
幕間 傷跡 弍
[1/15]

[8]前話 前書き [1] 最後 [2]次話
 正義の味方を目指す魔術使いである衛宮士郎には、複数の師匠がいる。

 魔術の師匠である遠坂凛。

 剣の師匠であるアルトリア・ペンドラゴン。

 他にも様々な師匠がいるが、その中の一人に、近代兵器の師匠がいた。

 師匠の名はヒサウ。

 出会った場所は硝煙が香り、悲鳴と慟哭が響く内戦続く国。

 灼熱の太陽が降り注ぎ、見渡す限りの砂丘が広がる国で、衛宮士郎とヒサウは出会った。











 今思えば、『オレ』が士郎と出会ったのは、所謂奇跡と呼ばれるものなのかもしれない。

 いくつもの偶然が重なり、『オレ』と士郎は出会い……士郎は『私』を救ってくれた。

 士郎と出会うまで、『オレ』は、毎日をただ何となく生きていた。

 殺し、奪い、食べ、眠る……。

 そんなクズのような生活が、死ぬまで続くのだと思っていた。

 物心ついた時からずっと……随分と長い間そんな風に生きていた。

 だけど、そんな『オレ』にも、目的みたいなものはあった。

 それは…………母親に会ってみたい………というものだった……。





 生まれてすぐ母親から離された私は、『母親』の顔どころか声すら覚えていない。

 それについて、別段寂しいとか悲しいとか思ったことはない。正確に言えば、そんなことを考えている暇がなかった。

 私の最初期の記憶は、小さな刃物でナニカを解体しているというもの。

 小さく解体したものを口に運ぶ。

 暗い闇の中、手の平に感じるナニカから溢れ出る生暖かい感触。

 生臭さと、鉄錆の味が口の中を満たす。



 アソコは……地獄だった。



 そこには、私の他にも、同じぐらいの歳の子供がいた。

 常に暗い印象を感じるあの場所で、大人の男たちが私たちに教えていたものは……人の殺し方。

 あそこでは、物覚えの悪い子供から次々に死んでいった……いや、殺されていった。

 だから、私たちは必死に覚えた。

 寂しさを感じる時間で、銃火器の構造を覚えた。

 悲しみを感じる時間で、銃の腕前を磨いた。

 大人の男たちは敵であり、仲間は同じ子供だけだった。

 だけどそれは勘違いだった。

 私の身体が女になった時、それが分かった。

 その頃には、仲間で生き残っていた少女は私だけになっていた。

 そんなある日、私は強姦された。

 何時かはこうなることを予感していたが、予想外のことが起きた。

 私を最初に犯したのは、大人の男たちではなく……仲間だと思っていた少年たちだった。

 泣き叫ぶ私を押さえつけ、生き残っていた全員で私を代わる代わる犯したのだ。

 大人の男たち
[8]前話 前書き [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ