第2話 東の蛇神とギフトゲームをするそうですよ?
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、美月がハクを異世界より召喚した理由も、そのギフトゲームに置ける助っ人を依頼する為に召喚したのだ。その彼女から、この様な場所で、それも明らかに危険と判る気配を放っている相手とのゲームなど……。
しかし、ハクの目の前に立つ白く冷たい美女が、軽く鼻を鳴らした。これは、明らかに否定。
そうして、
「何故、妾がそなたを相手にギフトゲームなど行わねばならない。その様な戯けた事を言う為にわざわざ妾を呼び出したと言うのか?」
元々、無理に召喚された事に因り、そう機嫌の良くなかったその女性が、ハクを睨み付ける。
背筋が凍るようなその視線。いや、魔力が籠められしその視線は、既に邪眼と言っても過言ではない。
しかし、
「葦原の中津国にて、人の姿をした形代として育てられた私の真名を支配すれば、水の神で有る貴女の神力にもより一層、磨きが掛かると思われますが」
その過酷とも言える身の上を、剰え、気の弱い者。意志の弱い者。更に霊的な加護の低い者ならば、即座にその場でひれ伏して震え出したとしても不思議ではないほどの、最早、物理的圧力とさえ思えて来るような威圧感を示す世界の中心で、その霧の向こう側より顕われた白い女性に話し掛けるハク。
但し、この異常な状況に有っても尚、その表情には相も変わらぬ、長閑な春の微笑みを浮かべた状態で。
しかし、ハクの語った葦原の中津国。それは日本を指し示す古い国名。その中で人の姿をした形代と言う物は一体……。
そのハクの言葉に、美月が更なる驚きの表情を浮かべた。
美月の知識では、その葦原の中津国と言う地名は聞いた事が無かった。しかし、同じような神の力を使う能力を有して居る以上、その人の姿をした形代と言う存在は簡単に想像が付く。
それは……。
「成るほど、面白い事を言う。確かに、そなたからは大きな霊気を感じる。そしてこれは、木気に通じる霊気」
しかし、その美月の思考が答えを結ぼうとした刹那、水の神と言われた美女から、初めて威圧感以外の物が含まれた台詞が発せられた。
美月にも容易く判る質の気。これは、間違いなく興味。
そして、
「ならば、その勝負、受けようぞ」
短い同意を返して来た白い美女。但し、その邪視に等しい視線や神の威圧感はそのまま。いや、美月には更に圧力が増したかに思える状況。
しかし、美月よりも更に前。現代のメートル法に換算すると大体六メートル半程度先に存在しているハクは、いたって穏やかな雰囲気で、
「では、ゲームの規則は、
美月さんが十数える間に、貴女が私の心を支配したら貴女の勝利。私がその間、耐えきったら私の勝ち。
賞品は、双方の真名。
それで、よろしいですか?」
……と、ギフトゲー
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