暁 〜小説投稿サイト〜
機動6課副部隊長の憂鬱な日々
第108話:男2人
[1/6]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話

当直生活3日目も午後になり、そろそろ交替するメンバーが
やってくる時間が近づいてきた。
本来なら、勤務が明ければ即行で家に帰りたいところだが、
朝に受けたクロノさんからの通信でそうもいかなくなった。
今夜飲みに行こうと言うクロノさんに、当直明けだから無理だと
必死に主張したのだが、結局はクロノさんに押し切られてしまった。

昼食後、そのことを伝えるためになのはに連絡したのだが、

”ゲオルグくんもクロノくんには勝てないんだね”

となのはは笑って言うのだった。

しばらくして、ぽつぽつと交替メンバーが艦橋に入ってくる。
その様子を時折ちらちらと見ながら引き継ぎのための報告書を作成していると、
すぐ近くから声をかけられた。

「待たせてごめんね、ゲオルグ」

目を向けると、すまなそうな表情のフェイトが立っていた。

「いや、むしろ早いぐらいだろ。じゃあ、引き継ぎやるか?」

「そうだね。じゃあ、お願いするね」

「よし、なら俺の部屋で」

「うん」

フェイトを伴って自分の部屋に行くと、フェイトにソファを勧める。
俺はフェイトの向かいに座ると、この3日間に起こったことなどの
引き継ぎ事項を話していく。
途中、ところどころでフェイトが質問してくるのに答えつつ
30分ほどかけて引き継ぎを終える。

「ってとこだな。いいか?」

「うん、十分だよ。ありがとう、ゲオルグ」

「よし。じゃあ後は頼むな」

「了解、まかせて」

フェイトはそう言って微笑を浮かべると、ソファから立ち上がる。
俺もソファから腰を上げると、フェイトに先んじて部屋のドアを開け、
フェイトを先に通す。

「ありがと、ゲオルグ」

フェイトの謝辞に軽く頷き、フェイトの後に続いて通路へと出る。
艦橋に向かって歩く道すがら、隣を歩くフェイトが何か言いたげに
俺の方をちらちらと見る。

「なんだよ、フェイト」

「うん・・・。あのね、今日ってクロノに呼び出されたんだよね?」

「そうだな。今朝連絡があって、今晩飲みに行くことになったよ。
 口ぶりからするとなんか話したいみたいだ」

俺の言葉を聞いて、フェイトは眉をひそめる。

「そっか・・・ごめんね。クロノもゲオルグの事情を考えてくれないと」

「ん? 事情って?」

「だって、当直3日目でしょ? 本当なら帰って寝たいんじゃない?」

「まあ、そうだけど・・・クロノさんも忙しい人だし、しかたないよ」

そう言いながら肩をすくめると、フェイトはため息をつきながら肩を落とした。





3日間の当直を終えて、俺はクラナガン市内に向けて車を走らせる。
本来なら、クロノさんと待ち合わせをしている繁華街の方
[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ