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機動6課副部隊長の憂鬱な日々
第108話:男2人
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 他にいくらでもいるでしょう?」
 
「いや。僕はゲオルグが適任だと考えてる。
 それは、今度作る部隊の特徴に関係するんだ」

クロノさんはそう言うと、テロ対策部隊の特徴について滔々と述べ始めた。
曰く、新部隊には正面切って戦う能力だけでなく、敵地深く潜入して
情報を収集したり、工作活動を行う能力が必要とのことだった。

「というわけで、部隊長には情報部に居た経験のあるゲオルグが適任なんだ」

「そういうことですか・・・」

「納得してくれたかい? なら、4月からゲオルグが部隊長ってことで・・・」

「ちょっ、ちょっと待ってくださいよ! まだ俺は何も言ってないでしょ。
 それに、今から部隊設立なんて間に合わないでしょう?
 隊の配置とか人員とか。それに、上だって説得しないと」

「上については大丈夫だ。この部隊設立は3提督のお声がかりだからね
 それに、配置については今建設中の新しい6課の隊舎をそのまま使う」

「なっ!? それにしたって・・・」

「ちなみに、部隊長の人事も内々には打診して、認可をもらっている」

「はぁ!? 何を勝手に事を進めてるんですか? 本人抜きで。
 それに、俺は4月から士官学校の教官です。これは譲れません」

「どうしてそんなに教官にこだわるんだ? 部隊長の方が格は上だし、
 やりがいもあると思うぞ?」
 
「はやてから聞いてないんですか? 俺はしばらく前線を離れたいんですよ。
 クロノさんだったら、俺の経歴は知ってるでしょ?
 もう何年も前線に居続けなんですから、いい加減しばらく休ませてください」

「どうしてもか?」

クロノさんが困った顔でそう聞いてくるので、俺は大きく頷いて見せた。
それを見たクロノさんの眉間に深いしわが寄る。

「そうか・・・。だが、今さら他に部隊長を探している余裕はないしな。
 そうだ、ゲオルグ。こういうのはどうだ?」
 
「なんです?」

「テロ対策部隊の発足を1年遅らせる。どうせ、人を集めるのにも
 時間が必要だしな。で、1年後の部隊発足時にはゲオルグに
 部隊長についてもらう。どうだ?」

クロノさんはそう言うと、じっと俺の目を見る。

「どうだ・・・って、人の話聞いてました?」

「お前は僕をなんだと思ってるんだ? 当り前だろう」

「なら、なんで1年後には俺が部隊長って話になるんです?」

「1年も休めば十分だろう」

「何言ってんですか。時間制限付きの1年なんか休んだうちに入りませんよ」

「だが、部隊の設立は1年以上伸ばせないぞ」

「なら、俺にこだわる必要ないでしょ。俺以外の誰かを部隊長に
 据えればいいじゃないですか」

「断る。僕は君以外に部隊長が務ま
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