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機動6課副部隊長の憂鬱な日々
第108話:男2人
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いて俺の方を見る。

「では、乾杯でもしようか」

クロノさんはそう言ってグラスを掲げる。

「ええ」

俺はクロノさんに向かって頷くと、自分のグラスをクロノさんのグラスに
軽く当てた。チンという甲高い音のあとに、グラスの中のビールをグイッと
あおると、冷たく冷えたビールが俺の胃に一瞬のひんやりとした感覚を与える。
俺は、グラスを置くとクロノさんに目を向けた。

「で、今日はどんなお話ですか?」

目を閉じて、ウィスキーの味を楽しんでいたらしいクロノさんは
ゆっくりと目を開けると、グラスを置いて俺を真っ直ぐに見据える。

「機動6課の次の配置についてだが、士官学校の教官を希望したらしいな」

俺はクロノさんの言葉に、”やっぱりか・・・”という感想を持った。

「ええ、まあ。それがなんです?」

「なぜ前線部隊に就こうとしない?」

「はやてから聞いてませんか?」

俺がそう返すと、クロノさんは難しい顔で俺を見る。

「・・・ああ、聞いている。休ませろ、ということだったな」

「端的に言えばそうです」

「端的に・・・ね。まあ、それはそれとして、僕自身としては
 ゲオルグにはより重要な役割を果たしてもらいたいんだが」

「重要な役割って?」

俺が尋ねるとクロノさんは急に表情をなくして、慎重に周囲の様子を窺い
人がいないことを確かめると、身をかがめて俺の方に顔を寄せる。

「なあ、4月から管理局の体制が変わることは知っているか?」

「ええ、はやてからざっくりとは聞いてます」

「なら、新部隊設立の件は?」

「新部隊・・・ですか?」

「その様子だと知らないみたいだな・・・」

クロノさんはそう言うと、天井を見上げて少し考えるようなそぶりを見せる。

「・・・最近、ミッドを中心にテロ事件が頻発しているのは知っているな?」

「ええ。今回の当直中にも何度か連絡が入りましたしね」

「そうか。でだ、昨今のテロ増加に対応するべく、本局や地上本部の
 枠にとらわれない、専門の部隊を立ち上げることになった」
 
「はぁ・・・」

「で、僕がその部隊の立ち上げを担当することになったんだが、
 僕としてはその部隊長をゲオルグ、君にやってもらいたいと思っている」

クロノさんはそこで言葉を切ると、俺の方をじっと見つめた。
俺は、クロノさんが何を言っているのか理解できず、しばらく
ぽかんとしてしまう。

「どうした?ゲオルグ」

クロノさんに声をかけられ俺はフッと我に返った。

「あ、はい。すいません。てか、俺が部隊長って言いました?」

「ああ、そう言ったよ」

「俺が部隊長って・・・なんで俺なんですか? 適任者なら

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