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DQ4TS 導く光の物語(旧題:混沌に導かれし者たち) 一〜四章
四章 モンバーバラの兄弟
4-09酒が好き。踊りは有料

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「火薬ですか?昔、西のアッテムト鉱山にいたので、そのとき手に入れたものです。」


「じゃあ次は、アッテムト鉱山だね。」
「鉱山かよ……。まあいい、今から考え込むこたあねえ。酒だ酒だ、今度こそ酒場だ!」
「仕方ないね」
「オーリンも行こうぜ」
「私はあまり、飲めないので」
「飲まなくていいから付き合えよ」


「楽しいだなやー!あー、それ、それ!」
「おーおー、浮かれてるねえ」
「あたしはジル!さあ、あなたも!踊って、踊って!」
「気が向いたらな」
「弟と一緒に、鉱山で働く父親に会いに来たんです。なのに、もう死んでいたなんて……。」
「お気の毒に……」
「オラ、絶対、ジルを嫁っこにもらって帰るだ!」
「おー、頑張れよー」
「弟に、なんて言ったらいいのか……。」
「どうか、お気を確かに」
「お兄さん、素敵ね!あなたも、あたしに会いに来てくれたの?」
「飲みに来たんだよ」
「ジ、ジル!オラというものがありながら」
「もう……飲めません……」
「飲んでねえだろ。空気で酔うのかよ」
「ほほう。仇討(かたきう)ちの旅を。して、仇の名は?」
「バルザックというのです」
「お兄さん!ほらほら、飲んで飲んで!」
「おー、飲むぞー」
「ジルー!」
「確か、キングレオの新しい王様も、バルザック……。」
「王様の名は、バルザック……。」
「いや、たぶん人違いであろう。」
「ぐうぐう……」
「オーリン、寝るなよ。誰が運ぶんだ。」


「あー、飲んだ。おい、オーリン。しっかり歩け」
「は。はい。」
「父さんからバルザックが盗んだ、進化(しんか)秘法(ひほう)を研究するキングレオの、悪魔に魂を売った、新しい王の名が、バルザック。ほとんど確定だね。」
「だな。だいぶ先が見えてきたぜ」


 ハバリアで宿を取り、夜が明ける。

「しかし、オーリンがあそこまで酒に弱いとは。みかけによらねえな」
「お恥ずかしい限りです」
「無理やり飲ませたんじゃないのか」
「飲ませてねえよ」
「ならいいけど。ところで、せっかく港町に来たんだ。いいものがあるかも知れないし、店をのぞいて行かないか」
「そうだな。お前もいい加減、(どう)(つるぎ)じゃ頼りねえしな」
「兄さんにも、何かあるといいんだけど」
「オレはいいんだよ。魔法で派手にやるからよ」
「魔力が切れたらどうするんだよ」


 まずは武器屋をのぞく。
 ミネアが、錫杖(しゃくじょう)(とげ)付きの鉄球を鎖で繋いだ武器、モーニングスターを手に取る。

「これが良さそうだな」
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