暁 〜小説投稿サイト〜
Sword Art Online-The:World
#05 乱刃(らんが)
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力は上だ。フードのプレイヤーは動きが俊敏で、褐色の大男は敵の視界に入らないよう上手く立ち回り、黒と紺の少年は攻撃をよく“読んでいる”。ディアベルはプレイヤーへの指示が的確、人を導いていくまさに指揮者の才能だ。

「ディアベル、僕と組んで!」

「………ッ、光栄だ!」

このゲームを始めてハセヲ達以外との、初のコンビプレイ。こんな人間を、こんなところで失うには惜しい。ならば、自分が守ってやろうではないか。それだけの力はあるし、知識もある。それに彼はまだ“伸びる”。
そんな彼らにも驕りはある、焦りもある。此処一番最後というところで、人はミスを犯すものだ。ハセヲはベンケイへの攻撃を防御(パリィ)し続けながら、フードのプレイヤーをよく見ていた。彼は少々焦っている、傍らの少年はそれに合わせて動いているがこのままだと、

『GRUOOOOOOHHHHHHHHHHH!!!』

直立の横一閃のようだが違う、回転しながらの横一閃。
おそらく偶然捉えられただけなのだろうが、しかし彼女にはそれが先ほどまでの“遅い”攻撃と区別が着かなかったのだろう。野太刀は彼女のローブを掠め、それを切り裂いた。やはりそうなった。防御無しの攻め手二人では、対処法は回避しかない。それが間に合わなければ、カスほどに生き延びるか死ぬかだ。
速度に自信がある分、敵の攻撃への心の余裕は必ず生まれる。しかし、敵の攻撃の速度は一定ではない、僅かなモーションの差で攻撃が別次元に派生することも間々(まま)ある。今のがそれだ。
幸いダメージはローブのお陰で発生しなかったようで、その代償に彼の素顔が露わになった。――――いや、彼ではなく、彼女の。
…………女!?
十代半ばの少女だった。亜麻色の長い髪と、女性プレイヤーの中でも標準の装備。彼女は手にしたレイピアによる刺突を繰り出す。ボスは一瞬のノックバックの後、再度反撃を開始する。やはり火力と反動の出ないレイピアでは、重量級の獣霊(コボルド)相手ではさほど効果は与えられないようだ。
少女はソードスキル発動後の隙で、攻撃を回避できない。しかし、彼女と組んでいた少年がカバーする事で、その懸念は回避されている。昨日のあの様子だと、二人はソロだからもう少し動きが悪いかと思ってはいたが………ハセヲのそれは、ただの杞憂で済んだ。
彼女達への攻撃が困難と判断したのか、ボスは標的を群衆へと移す。颯爽とボスの攻撃が繰り出され、プレイヤーの一人がそれを防御(ガード)。しかし立て続けの攻撃に、彼の防御は間に合わない。助けに入ろうと走り出すプレイヤーは複数いるが、あの様子だと間に合わない。
…………やれるか?
茅場は『過去を再び』といった。ならばこのアバターは、あの時と同じ事が出来るようになっている筈。『The:World』特有の、スキルトリガー。そしてそれ
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