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なりたくないけどチートな勇者
17*石川ではない
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「クックック、どうした?あれをほっとくと全員死ぬぞ?」

そう言ってきた。
多分こいつは、自分がなるべく人を殺したくないと思っているのを見越して、魔獣を倒すために真っ先にあっちに行くだろうと踏んでいるんだろう。

そんな奴の質問に対して自分は、無意識でかつ簡潔に答えた。

「誰も死なないさ。」

するとヒューが怪訝な顔をして、笑うのを止めた。

「なぜだ?」

今はそれには答えず、自分は事の成り行きを見守っている。

そして、魔獣はそろそろ大通りに突っ込もうとしているが、それでも自分は手を出さない。


そして、自分はここでヒューに回答を言い渡す。

「なぜかって?理由は簡単、至って簡単。」

そこで一旦言葉を区切る。

そして、魔獣がもう大通りに突っ込む直前、こからともなく、聞き慣れた吸血鬼の少女の叫びが聞こえた。

「トラップカード!『サンダーブレイク』!!」

その直後、自分は言葉の続きを喋る。

「自分のかわいい弟子達が待機しているからさ。」

鳥型の魔獣は雷にうたれ、そして消滅した。


「………は?」

ヒューは魔獣が一瞬で消滅したのが信じられないのか、口を死にかけの出目金みたくパクパクさせている。

「な、なぜだ!?なぜ魔獣が!?まさか報告にあった魔獣を一瞬で消す魔法が本当にあるのか!?」

めっちゃぱにくっている。
だがこれは、なんかヤバイ。
肌になんかぴりぴりした物をかんじる。

「なぜだなぜだなぜだなぜだなぜだ!?そうか一体なら少ないのか!?ならもっとたくさんの魔獣を!!たくさんたくさんたくさんの魔獣!!」

狂ったようにヒューが叫び、あたり一面が魔法陣だらけになった。
そして…

「「「ギュルェェェェェ!!」」」

なんとも言えない叫びと共に、少なくとも確認できる限りでは八体の魔獣が出現した。

「全部!!全部壊してしまえ!!この世界は俺の物だ!!俺の!俺の所有物だ!!全員俺に平伏すがいい!!」

ヒューがそう叫ぶと、魔獣は全部大通り目掛けて攻撃しにいった。

「ちょっ!大丈夫なのか!?」

「この数はいくらお弟子さんでも無理じゃ……」

後ろからは王様とイースちゃんが自分に話しかけてきた。
しかし、自分は余裕しゃくしゃくで。

「大丈夫大丈夫。見てなって。」

そう言った瞬間、やけに透るお転婆な姫様の声が聞こえた。

「トラップカード!『聖なるバリアーミラーフォース』!!」

そう叫んだ瞬間、魔獣の一体が壁にぶつかった。
そして

ドガァッ!

光が周りの魔獣もろともその魔獣を吹き飛ばした。

だがまだ魔獣は三体いる。
少し遠くて攻撃が当たらなかったようだ。

だが
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