第四十話
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ぱお互いそういう育ちだもんねぇ」
マディノは魚の水揚げはもちろん多い、それゆえ多くの食いもの屋は魚料理が多く、俺たちが長期滞在している宿でもメイン料理は必ず魚が出て来る。
「レイミアの村での豆といろいろ季節の野菜とかハーブの入ったスープとかうまかったよ、また食べたいな。案外って言っちゃ悪いけどレイミアの料理おいしかったよ」
「まっ、あそこは水もここよりずっと綺麗だしね。腕より材料さ」
「謙遜しなくていいのにー」
「ありがとよ、でもコッチ来てからは全然作ってないさ」
「忙しいもんなー、でも、これからはそうでもないだろ?」
「だねぇ、まぁ、ちっとやりすぎたから問題もあるんだよねぇ……」
「獲物を狩り尽くした猟犬は処分されて、弓は蔵に仕舞われるってやつか……」
「いい例えだね! まっ、海上輸送や警備の仕事は今より安全になるだろから報酬は下がりそうだってとこさね……この店にしよか」
彼女が勧めただけあって野菜料理や粥、丸焼きにした鳥など魚以外の材料を使った料理も多く、俺はトマトで煮込んだ鳥肉と豆に麦粥、串焼きにした玉葱、甘酢に漬けこんだ海藻や野菜のサラダに大満足した。
二人でワインを1本だけ空けて、ほろ酔い気分で宿に帰った。
「ミュアハー!、それにレイミアまで酔っぱらっちゃって〜、今日はもうお風呂の時間終わっちゃったよ?」
「祝いのですからね、それに正体無くすほどじゃありませんからあまり咎めないように」
クロード神父の援護射撃があったが、ここはシルヴィアに謝っておいた。
お湯をもらい自室で体を清めるとして、レイミアも今日はここで泊って行くそうだ。
俺やエーディンさんが浜で張り込んでいた間にレイミアとシルヴィアは一緒に寝てたそうで仲が良くなったんだろうなぁ。
レイミアにとってはアニーの代わりなんだろうな、そうなると俺はミゼだろう。
丁度ミで始まりとアで終わってるから、運命の偶然なのかもしれない。
明日は慰霊の式典が挙行されるそうだ、ヴェルリーにもそろそろブリギッドの行方を掴んでほしいものだが……
寝台の上でそんなことを考えながらうつらうつらしていると部屋の中に誰かが入って来た。
すぐさま気合いを入れてすぐに動けるよう身構えると……
「ミュアハー、レイミアのお部屋いこー」
シルヴィアに言われた通りにレイミアの借りた部屋で三人仲良く眠った。
さっき思いついたミゼとアニーの話をしたら、レイミアがうるうるしてぎゅぅっとされちゃいましたーよ。
シルヴィアが言うにはレイミアは俺のお母さんだなんて言うし、そう言うならシルヴィアは俺の妹だよ。
なんて言ったら微妙な顔をしたけれど、この三人で家族っていうのもいいよね。
今日は昼寝をしてしまったけれど、安らかな気持ちになれたせい
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